奄美のツバメ

巣立ち前ふと思ったことだが、奄美にツバメはいたか。子供のころ稲田の上をすれすれに飛ぶ姿を見たように思う。しかし、軒下に巣を作っているのは見たことがない。

というのも、昨日夕方、宅配便を出して帰るとき、タクシー会社の軒下から、蒸し暑くねっとりと肌にまとわりつくような重たい空気を切り裂くように、一羽のツバメが音もなくスッと目の前を横切った。同時に激しい雛の鳴き声に思わず軒下を見上げた。5羽かそこらのひなが白いまん丸い顔をそろえて大きな口を開けているのが愛くるしくて思わず携帯でナイスショット。

しかし、すぐに、シュンとなって顔を引っ込めた。雛たちの泣き叫ぶ姿は、人間の赤ちゃんとまったく同じ、と思った。それに、あんな風にパニックになって大騒ぎする姿を見たのは初めて。で、ふと、昔のふるさとに思いをはせたというわけ。

帰って調べてみたら、「沖縄県以外で繁殖する」(ウィキペディア)とあった。ということは、沖縄では巣を作らないということになる。そうすると、沖縄の人々はツバメの巣を見たことがない。なるほど。ということは、沖縄に限りなく近い気候の奄美でも巣を作ることはないと言えそう。渡り鳥として飛んできたツバメはみたとしても、「雛の鳴き叫ぶ姿を見たという記憶がない」のは当っている。でも、沖縄で繁殖しないのはどうしてだろう。

ともあれ、行ずりの子ツバメたちが教えてくれたツバメの神秘。いずれにしても、白いあごひげ(に見えた)の雛を間近で見た新鮮な驚きの意味が分かって、妙に納得。大きな発見をしたような心楽しい出会いだった。しかし、奄美のツバメが家なき子だったとは!

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