オーバン神父様の思い出
終戦後、奄美に宣教のために来られたカプチン会のオーバン神父様は、奄美の人々に親しみを持たれ日本語を覚えられるために、どなたにでも話しかけられていました。「これ何ですか?」っていつもにこにこされながら話しかけられ、日本語も早く覚えられ、ミサの時の説教もよく分かりました。中でも昔、説教の時「皆さんは人に “カトリックの教えは何ですか?” って聞かれたら、“ 愛! 愛です!” って答えなさい !」って力を込めて話されていました。年寄りにも子供たちからも「オーバン神父さん、オーバン神父さん」と呼ばれ、未信者の方々からも「オーバン神父さん」と慕われていました。
ここで笑い話を一つ二つあげてみます。「オーバン神父様、オーバン神父様」って子供たちがぴょんぴょんはねながら跳び回っていると、オーバン神父様は「何ですか? はーい、何ですか?」って言われたら、その子が「何でもない、呼んだだけ。呼びたかったから呼んだだけです。」と言ったら、その子をしっかり抱きしめて「ありがとう。ありがとう。」って言っておられました。それからもう一つは「弁当、勉強、便所を間違えます。日本語難しいですね。」って言って笑われたり、夕の祈りの後、庭でみんなで話していたら「あれ、お星様、お月様」と言われ、そばに雲が動いていたら「あれ何ですか?」って聞かれたので「あれは雲」と答えたら、「あっそう、お雲様」って言われたので子供たちが大笑い。「 “お” はいりません。」いくら言っても聞きませんでした。雲を何回も「雲、雲」と言っても、やっぱり “お” を付けて言われたので、みんな大笑いをしました。日本語の敬語の説明に困ったことがありました。
あの優しくてにこやかな神父様のお姿がとても思い出深く、奄美の人たちにとって “教会のお父さん” という印象が深いです。今はいつも祈っています。現在、天国で奄美の多くの方々をにこにこ顔で見守っておられると思います。いつも感謝しています。
吉野教会信徒 S.F



