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元祖ホスピス

作成者 admin最終変更日時 2006年03月29日 11時50分

今週の聖書

マルコによる福音マルコ13.24-32

それらの日には、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。そのとき、人の子が、大いなる力と栄光を帯びて雲に乗ってくるのを人々は見る。そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。
無花果の木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。それと同じように、あなた方はこれらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。はっきり言っておく。これらのことが皆起こるまでは、この時代は決して滅びない。天地は滅びるが、私の言葉は決して滅びない。その日、そのときは、誰も知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存知である。

今週のポイント終末の預言は、ピンと来ないが、赤字部分には気を引かれた。天体が揺り動かされるといっても、地震の揺れしか経験はないが、自分自身が揺り動かされた体験は数多い。具体例をあげるまでもなく、誰もが体験することだ。無視された。相手にされなかった。誤解された。拒絶された。聞いてもらえなかった。などなど。そういう揺すぶられた体験。心の平静さを失い、怒りや、悔しさ。失望や無力感。などなど。揺すぶられることで感じるこうした痛みの数々。それは叫びでもある。

痛みと言えば、ガンの痛みこそ究極の痛みと言えるかもしれない。「将来からのメッセージが来なくなる」*痛み。命が後何日と限定されたなら、人は夢の描きようがない。生きる力を文字通りそぐほどの痛み。そんな痛みと共に生きる人々がいる。先日、13日から17日までの熊本での研修会**の会場はホスピス病棟を持つみこころ病院。ホスピスとは「良いもてなし」がもともとの意味らしい。ホスピタル、ホテル、共に語源は同じ。「患者さんの希望をかなえる」というのがこの病棟での姿勢。だから、少々熱があっても「お風呂にはいりたい」人はお風呂に入れてあげる。肺ガンの人でも「タバコが吸いたい」と言えば吸ってもらう。徹底して患者さんの希望に応えようとするもてなし。究極の痛みには、究極のもてなしで…。そして、良いもてなしに包まれながら、例外なく、静に逝かれる。元祖ホスピスの真髄。

突然だが、解決することのないガンという痛みをそのまま生きること、自分の場合だと、「聞いてもらえなかった」痛みをそのまま生きること。その辛さを生きる。そのことが霊的なこと。「何だろう?」と「これらの事をすべて心に納めていた」(ルカ2,51)マリアのあの生き方に習うと言うことか。人を責めず、自分を卑下せず、自暴自棄にもならず、何だろうと霊的であることを貫く。すると、また突然だが、神の良いもてなしに気づく。そうして、「私の霊は救い主である神を喜び称える」(ルカ1,47)ことになる。もっとも、こんな青写真が誰にでもスイスイと通用するという保障はないが…。しかし、大揺れに揺れているそのとき、人の子(イエス)が近づいているとイエスは言う。

*ホスピスの現場からの伝言「愛されて生きる」泉キリエ著 くすのき出版 
〒870-0829大分市三芳878-32tel/fax097-547-0741 480円 一読をお勧めします。

**正式には「臨床パストラルケア研修会」興味のある方は、下記にご連絡ください。
臨床パストラルケア教育研修センター(所長キッペス神父ーレデンプトール修道会司祭)
〒830-0061 福岡県久留米市津福今町459-10
tel : 0942-31-4836 fax : 0942-31-4835
e-mail : kippes@redemptor.or.jp
URL : http://www.pastoralcare.jp.net/
推薦の言葉:「あなたの生き方の質が変わります。」(郡山健次郎)


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