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イエスの誕生は家の中

作成者 admin最終変更日時 2006年03月29日 11時32分

今週の聖書

ルカによる福音2,1-7

その頃、皇帝アウグストウスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令がでた。これはキリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。人々は皆、登録するために各々自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上っていった。身ごもっていたいいなずけのマリアと一緒に登録するためである。ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らのとまるところがなかったからである。

今週のポイント子供の頃見た家畜小屋の記憶をたどると…。馬小屋はハエがたかり、糞がたまり、えさとなるサトウキビの葉が無造作に置かれて、うっかり近づくとブルンと鼻を鳴らして怒られたりした。牛小屋は、薄暗くもっと汚かった。豚小屋はとてもくさくて汚かった。山羊小屋はもう少しはましだった。

しかし、いずれの場合も人がお産をするにはひどすぎた。「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。」例によって、聖書はいちばん知りたい詳細を省く。イエス誕生の実態は?福音記者たちが問わなかったことを敢えて問うと…。

当時、ほら穴を住居とする貧しい人々がいた。羊や山羊を飼い、夜には、ほら穴の一番奥に誘導した。盗賊、野獣から守られなければならないからだ。だから、家の一番奥は、いちばん安全な場所と言う意味だ。家族は、入り口に近いところで起居した。砂漠地帯の夜は冷える。入り口では火もたいたに違いない。そんな家族にとって、当然、出産もあった。ありあわせのものを上手に使い、飼い葉桶がベッドに早や代わりすることはべつに驚くほどのことではなかった。そんな家族を二人が訪ねた。

また、当時、大きな愛の業は施しと旅人をもてなすことだったことを考えると、二人が、初対面の家族から歓迎されたことは容易に想像がつく。それも特別のことではなかったのだ。だが、お客様の出産。貧しい家族にとっては、まさに劇的なことだったには違いないが…。

これで、「飼い葉桶に寝かせた」なぞが少し解ける。そうなのだ。イエスは、人気のない、家畜小屋でひっそりと生まれたのではない。貧しい家族の見守る中で、しかもいちばん安全な場所でなされたことになる。こうして、初めてのクリスマスが祝われた。我が家でなく、ホームステイ先で。まさに波乱に富んだイエスの生涯を暗示するかのような誕生の次第。

家という漢字は「屋根の下に豚を集めるさま」を表す。豚は放牧に適さないからだという。そう言えば、人間も放牧に適さないから家を必要とすると考えるとその点では豚に似ている。脱線したが、イエスが生まれた家は、その家とは違う。貧しい人々の生活を支えてくれる羊や山羊たちは守ってあげる必要がる大切な存在なのだ。家族の一員と言っていい。そんな優しい心遣いのいっぱいある家でイエスは誕生した。

馬小屋からのメッセージがここにある。

で、遅ればせながら、メリークリスマス!


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