シナリオのないドラマに筋道を
ミカの預言5,1-4a
2003.12.20記
主は言われる。
エフラタのベツレヘムよ
お前は、ユダの氏族の中でいと小さき者。
お前の中から、私のために、イスラエルを治めるものが出る。
彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。
まことに、主は彼らを捨て置かれる、産婦が子を産む時まで。
そのとき、彼の兄弟の残りの者は、イスラエルの子らのもとに帰ってくる。彼は立って、群れを養う。主の力、神である主の聖名の威厳をもって。
彼らは安らかに住まう。今や、彼は大いなる者となり、その力が地の果てに及ぶからだ。彼こそまさしく平和である。
神様は演出家。どうしてもそんな感じがしてくる。脚本家は預言者たち。今日登場するのは紀元前7世紀後代の農民脚本家ミカ。彼は、イザヤに約束された文献(7,14)に当たりながら、自分なりの未来像を描く。彼が描いた未来像とは…。
BC1000年、ダビデ、王国樹立。80年後、北イスラエル王国と南のユダ王国に分裂。
そして、721年、アッシリアによって北滅亡。おかげで、「王の心も、民の心も、森の木々が風に揺れ動くように動揺」(イザヤ7,2)させられっぱなしの北イスラエルの脅威は去ったとしても、弱小国ユダ王国としては、「明日は我が身か。」不安は消えなかった。
北は雑多な部族の集合体故、王国の基盤は本来脆弱。それに比べると、南のユダは、小国ながらも偉大な王ダビデの直系。たとえ外圧がいかに強くても、ダビデの出身地ベトレヘムは盤石。この地からこそ「イスラエルを治める者が出る」のだ。ミカは確信した。
さて、国が乱れ、外圧にさらされ、亡国の憂き目に会うたびに、神が世に放った多くの脚本家たち、中には偽者もいたのだが、彼らの特徴は、確信に満ち、未来に関しても断言してはばからないことだ。その信念は、妥協を許さない。その迫力は、演出家をも動かす。
「さて、そろそろ、整理し筋道をつけねばなるまい。北は消えた。南は、ワシの思惑通りではなかったので少し手ナオシが必要だとしても、救い主は、ミカの筋書き通り、ベトレヘムからということで残すとするか。」農民ミカが神の認知する脚本家になった。
で、救い主イエスは、こんにち、イスラエルがベトレヘムに侵攻しようが、ミカの筋書き通り、今週ベトレヘムで誕生する。ボクの環境が最悪でも、いや、あなたが、そう感じるその時こそ、あなたはミカにならないといけない。そうでないと、あなたを世に放った演出家の思惑がはずれる。演出家との合作のドラマが生まれるためにも。
で、クリスマスに向けてのミカからのメッセージは、「シナリオのないドラマに筋道を!」 あなたが、ミカが何者か知るよしもない未信者(未来の信者)だとしても、クリスマスは全人類のため。