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神様からのサプライズ

作成者 admin最終変更日時 2006年03月30日 22時57分

復活節第2主日ミサ説教音声(2005.4.3)

音声を聞くためにはReal Playerが必要です。無料でダウンロードして使うことが出来ます。 

今週の聖書

使徒たちの宣教2,42-47

 信者たちは使徒の教え、相互の交わり、祈ることに熱心であった。
全ての人に恐れが生じた。使徒たちによって多くの不思議な業としるしが行われていたのである。信者たちは皆一つになって、全てのものを共有し、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心を持って一緒に食事をし、神を賛美していたので、民衆全体から好意を寄せられた。こうして、主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである。(日本聖書協会『聖書 新共同訳』 より)


今週のポイント 信者たちの高揚した顔、顔、顔。彼らの歓喜のざわめきが聞こえてくるようで、それをはたから、好奇の目で眺める未信者たち。生まれたばかりの教会のダイナミズムが蘇ってくる。

 ダイナミズムと言えば、洗礼の秘蹟が行われ、洗礼を受けた人々が共同体に紹介されるとき、お御堂は、まさに歓喜に包まれる。そして、にぎやかにパーティーが開かれ、司祭は誇らしい気分に浸ることになる。そして、洗礼の秘蹟がない、クリスマスや復活祭は、司祭にとっては、働きの悪さを暴露されたようで一抹の寂しさを禁じえない。

 ところが、たとえ、求道者も受洗者もゼロの年でも、各季節に神様はサプライズを下さるから面白い。今年のサプライズは、ある信徒の教会完全復帰。身近な人なので詳細ははばかるが、神様が、その人に語りかけ、聖霊もそれとなく働いてその気にさせたことは間違いない。誰もが、当たり前のように、つまり特別の表立った歓迎の言葉もなく、ましてやそのためにパーティーを開くでもなく、淡々と復帰を果たしていく。四旬節の日曜日だけでなく、聖なる三日間の祭儀における元気な声での聖歌、そして朗読奉仕。小さな共同体にとっては、歓喜したくなる大きな出来事だ。信徒一人一人も心の中で喝采を送っていることは間違いない。顔の輝きで分かる。
 この人知れず起こる神様からのサプライズ。これこそ教会のダイナミズム。

 これだけで喜ぶのはまだ早い。何故、教会復帰がその人に実現したのか。何らかのきっかけがあったに違いないと誰もが思うし、本人に聞けばそれなりの答えもあるとは思う。しかし、それは単なる好奇心に過ぎないことは誰もがわかっている。なぜなら、神様とその人とのまったく個人的なやり取りがあったに違いないことぐらいは、誰もが体験済みのこととして分かっているからだ。
 そうなのだ、この神様との、この個人的なやり取り、いわば秘密の対話こそ教会のダイナミズムの鍵となる出来事なのだ。もしかして、本人は、神様と対話しているという意識もなかったかもしれない。お互いにそうであるように、何となくその気になったということだってあるからだ。それはともかくとして、全ては神様の手の中で起こっているのだから、本人がどう解釈しようが問題はない。
 問題は、動機を正すことよりも、その気になったという事実にあることを見逃してはならない。そろそろ潮時かなと決断するときもあるが、それにしても、その気になったことこそ、本人に対する神様からのサプライズ。
 
 人がどんな状況にあろうが、いったんこの人と決めたら必ずその通りにやってしまうのが神様の生き方であり、衰えを知らぬ命のダイナミズム。そういう意味で、洗礼も教会復帰も、ツイていると喜ぶ些細なことも、実は、神様の命のダイナミズムのせいだったといえるのだ。

 「この人」と目をかけられるのは誰かだって?実はみんな。それはボクだった!と分かるのが信者。

 それはそうと、今日は、「神の慈しみの主日」なんだって!つまり、これまでの罪も何もかもチャラにしてもらえる日という意味。しかし、それには満たすべき条件がある。さすがに、聖域なき規制緩和とはいかないようで・・・。それでも、神様のダイナミズムには規制するものがないことを学べたら当局側の一人として嬉しい。サプライズを期待すれば神様も張り切ること請合う。幸運好運を祈ります。


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