現在の場所: ホーム Binder 日曜日のはなし 2005年 神様の不思議な働き・・・愛の鞭
ナビゲーション
最近のエントリ
ペトロパウロ休日 2014年06月29日
有難うシスターたち 2014年06月27日
大分教区司祭研修会 2014年06月26日
32年ぶり班制度 2014年06月24日
梅雨の晴れ間に 2014年06月19日
 
編集操作

神様の不思議な働き・・・愛の鞭

作成者 admin最終変更日時 2006年03月30日 23時10分

キリストの聖体の主日ミサ説教音声(2005.5.29)

音声を聞くためにはReal Playerが必要です。無料でダウンロードして使うことが出来ます。 

今週の聖書

申命記8・2-3,14b-16a

モーセは民に言った。あなたの神、主が導かれたこの四十年の荒野の旅を思い起こしなさい。こうして主はあなたを苦しめて試し、あなたの心にあること、すなわちご自分の戒めを守るかどうかを知ろうとされた。主はあなたを苦しめ、飢えさせ、あなたも先祖も味わったことのないマナを食べさせられた。人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口からでるすべての言葉によって生きることをあなたに知らせるためであった。
主はあなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出し、炎の蛇とさそりのいる、水のない乾いた、広くて恐ろしい荒れ野を行かせ、硬い岩から水を湧き出させ、あなたの先祖が味わったことのないマナを荒れ野で食べさせてくださった。
(日本聖書協会『聖書 新共同訳』 より)

今週のポイント沖縄での黙想の指導司祭は長崎の司祭。殉教者を取り上げ、過去における、また現在における神様の不思議な働きを見ながら、日本の教会の未来に対する手がかりを見出そうとするものだった。

神様の不思議な働きと言えば、今日の申命記の記事は、まさに神様の不思議な業そのもの。さらに不思議なのは、「奴隷の家から導き出し」たご自分の民を快適な場所ではなく、食べ物に事欠く過酷な条件の荒れ野に連れて行かれたこと。どうして、そうなさったのか。申命記の答えははっきりしている。「人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口からでるすべての言葉によって生きることをあなたに知らせるためであった。」人間の忘れっぽくて恩知らずな性癖と尊大さを見抜いたような言葉だ。

愛の鞭とはこのことを言うのか。とすれば、鞭を当てながら、泣いていたのは神ご自身だった!申命記を書いた人たちは、選ばれた民としてのこうした記憶を記すことで、同時代の人々だけでなく、後の時代の人々が、どんな境遇にあっても神様の不思議な働きを信じながら生きていける人生を全うして欲しいと願ったに違いない。そして、もし、そんなにも心にかけた神様を忘れたとしたら、記された記憶をたどって、神のもとに戻ってきて欲しい。
話は変わるが・・・。

小学校に上がるまでの時から始まって、今に至るまでを細かく分けながら、その一区切り一区切りで、「自分がして頂いたことは何ですか」という質問に答えようとする数年前に体験した五泊六日の内観。まずは母親から「していただいたこと」はなんだったかを記憶をたどりながら一生懸命思い起こそうとする。なかなか思い出せるものではない。しかし、それでもいくつかのことが思い出されてきた。それが済むと、「お返ししたことは何ですか」に移る。して頂いたことの多い割にはお返ししたことが如何に少ないかに愕然とした。そして、「迷惑かけたこと」で終わる。一人に対して、三年刻みでこれだけの内観をすると、許しの秘蹟のときの準備が如何にいい加減かを実感したものだ。さらに、身近な人々を通して、神様が如何に自分を大事に育んでくださったかということも理屈なしに分かった。

この内観の創始者はもちろん信者ではない。しかし、この人も、少なくとも自分にとっては、神様の大事な道具として働いてくれたことになる。これもまた、間違いなく神様の不思議な働き。

実は、こうした神様の不思議な働きこそが、私を養ったマンナだった。そうして自分の身の周りの人々や出来事を眺めると、酸いも辛いもみんながみんな神様のマンナ。そうして、やっと、「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」というパウロの言葉が納得できる。
こうしたことを確認した上で、究極のマンナである御聖体をいただく必要がある。御聖体と、それを残された主にありがとうと言いながら、無数のあなたのマンナにありがとうが言えないところに教会内や人間関係での問題発生の根がある。

今日は御聖体のお祝い日。あなたのマンナを祝う日。これまでの人生で出会ったすべての人や出来事、つまりそれらすべてを含んだあなたの人生を丸ごと祝い、感謝する日。


Powered by Plone CMS, the Open Source Content Management System

このサイトは次の標準に準拠しています: