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ホーリスティック信仰?

作成者 admin最終変更日時 2006年04月04日 13時58分

年間第30主日のミサ説教音声(2005.10.23)

音声を聞くためにはReal Playerが必要です。無料でダウンロードして使うことが出来ます。

今週の聖書

マタ22:34-40
ファリサイ派の人々は、イエスがサドカイ派の人々を言い込められたと聞いて、一緒に集まった。
35そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。36 「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」37イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』38これが最も重要な第一の掟である。39第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』40律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」

(日本聖書協会『聖書 新共同訳』 より)


今週のポイント「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか」という律法の専門家の質問に対して、イエスは単刀直入に神と人への愛を説かれる。マタイは、質問者の反応について記していないが、マルコには、当の律法学者が、イエスの答えにいたく感服した様子が記されていて興味深い(マルコ12,32-34)。

律法の字句に捕われていた人が、もっとも大切なことに目を開かれた様を目の当たりにして、イエスは歓喜された。「あなたは神の国から遠くない。」(34節)

彼は、これまでの律法至上主義を見直し、律法の根幹に神と人への愛があることに改めて気がついたのだった。この愛なしに、律法が如何に人を不自由にし、頑迷にすることか。こうして、彼は、律法学者から、真の信仰者に変えられた。部分的な信者?から、律法の心というか、そのよって立つ神のみ心に立ち返ってみるもっと大きな視野に立つホーリスティックな信者に変えられた。それがイエスの喜びだったに違いない。

20年ほど前に、「ホーリスティック医療」というパンフレットを手にしたことがある。ホーリスティックとは「全体的」という意味で、辞書の用例に従うなら、ホーリスティック医療は、「全体観医療」と訳せるかも知れない。つまり、病気そのものの治療だけでなく、その人全体を観ながら治療するということ。その人の性格や生活習慣、信条や信仰など、その人をその人らしくしている全ての要素を尊重しながら治療に当たるということだと理解した。

信者が信者らしく生きるためにも、このホーリスティック医療の発想が必要。その根幹は神と人への愛ということは信者なら誰でも分っている。しかし、頭だけの信者が多く、自分の信仰の姿が、どこで破綻を来しているかに気づくホーリスティックな信者は少ない。もちろん自分をも含めての話しだが・・・。

一番困るのが、今日の第一朗読にあるように、「あなたたちはエジプトの国で寄留者であった」(出エジプト22,20)ことを忘れること。つまり、神の憐れみ、慈しみを身にしみて感じたことがあるのに、のど元過ぎれば何とかで、ここと言うときに、元の木阿弥。それから、これもかなりい多いのだが、「これが自分の性格」といって自分と妥協しすぎること。例えば、怒りっぽい人は、見方が狭いだけの場合がある。
心配性の人も多い。未信者の夫に、「くよくよしないでいい」とか「なるようにしかならない」とか慰められたりする。本当は逆なはずなのに。数え上げたらきりがないが・・・。

こうした人々は、「全ては神様の手の中で生き、動き、存在する」ことを繰り返し観想すべきである。自分が中心になりすぎるから全体を見失うのであって、ホーリスティックな方は神様ご自身他にないことをしかと肝(頭ではなく)に銘ずべきである。

ホーリスティックで思い起こすことは他にもある。グローバリゼーション、国際化。そんな中で信仰するとは?避けて通れない命題は、日本の豊かさと第三世界の貧しさ。易しいことではないが、パウロの言葉は重たい。「一緒に集まっても、主の晩餐を食べることにはならないのです。なぜなら、・・・空腹の者がいるかと思えば、酔っている者もいるという始末だからです。」そんなんではミサにいっても無駄?

ともあれ、信者の未来に限界などない。ホーリスティックな信者を目指して開発に次ぐ開発が求められている。今日はどんな気づきが?毎日なされる主からの問い。あの律法学者の素直な気づきが期待されている。


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