イエスからの招待状
主の降誕・夜半のミサ説教音声(2005.12.24)
ルカ2:1-14
1 そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。
2 これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。
3 人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。
4 ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
5 身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。
6 ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、
7 初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。
8 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。
9 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。
10 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。
11 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。
12 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」
13 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
14 「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」
(日本聖書協会『聖書 新共同訳』 より)
招待状
少なくとも年に一回、ある人々が私のことを思ってくれると思うとそれはそれでとても素敵なことです。ご存知のように、私の誕生祝いが始まったのはずいぶん昔のことになります。初めのうち人々は、私が彼らのためにやったことを理解し感謝もしていたようですが、近頃は誰もお祝いの理由など知らないようです。家族や友人が集い、大いに楽しみますが、お祝いの意味は知りません。
昨年私をたたえて開かれた盛大な宴会のことを覚えています。おいしそうなご馳走やパイなどのお菓子、果物やナッツとチョコレートの詰め合わせなどが会食のテーブル一杯に広げられていました。飾りつけも見事で、きれいに包装された贈り物も沢山沢山ありました。でも、他のこと知りたいですか。私は招待されなかったのです。私は大切なお客様でしたが、あの人たちは、私に招待状を送ることなど念頭にありませんでした。私のためのパーティーだったのに。でも、その日がやってきたとき、私を外に置き去りにしたまま目の前でドアを閉めてしまったのです。私としては、みんなと一緒にいたかったし食事にも呼ばれたかったのに。
別に驚きもしませんでしたよ。どうしてかと言うと、この数年ずっとそうしてドアを閉めていたからです。それで、私は、音がしないようにそっとパーティー会場に入ろうと決めました。そして中に入り隅のほうに立っていました。みんな飲んでいて、中には酔っ払って冗談をいう人もいて、誰もが笑っていました。大いに盛り上がっていました。
その上、真っ赤な服に白いひげの太った人が、ホッホッホッと高笑いしながら部屋に入ってきたのです。酔っ払っているみたいでした。彼がソファーに座ると、子供たちが、「サンタクロースだ、サンタクロースだ」と言いながら駆け寄りました。まるで、彼のためのパーティーではないかと思ったほどです。夜中の12時になった時お互いに抱擁(ハグ)を始めました。私も、手を広げて誰かが抱擁してくれるのを待っていました。でも、誰もしてくれませんでした。今度は一斉に贈り物を開き始めたのです。一人づつワクワクしながらあけていました。全部あけ終わった時、もしかして、自分にも一つぐらいはと思ってみていたのでした。
自分の誕生日に、他の人にはみんな贈り物があるのに、あなただけなかったとしたらどう思いますか?で、私は、このパーティーに来て欲しくなかったんだと分かったので、そーっと出て行きました。毎年その様子は悪くなってきました。人々は、食べたり飲んだりすること、贈り物やパーティーのことしか考えようとしません。私のことなど思い出してもくれないのです。それで、今度のクリスマスは、あなたの人生にわたしを入れてくれたらいいと願っています。そして、およそ2000年ほど前、私が、十字架にかけられて自分の命をあなたに与え、そしてあなたを救うためにこの世に来たということ気づいてくれればと願っています。今日、あなたに願うのはこのことを心から信じてくれることだけです。あなたに何かあげたいと思っています。多くの人が自分を招待してくれなくても、私は自分でお祝いします。誰も思いつかないような盛大で、目を見張るようなパーティーを。
今、最後の支度を整えているところです。今日、私は、沢山の招待状を送るつもりです。もちろんあなたの分もあります。あなたが参加してくれるかどうか知りたいのです。それというのも、予約を取って、私の大切なお客様名簿に金の文字であなたの名前を書き込みたいのです。お客様名簿に載っている方だけがパーティーに招待されるということになるわけです。招待に応じてくれない人は外に置き去りにされてしまうことになります。早く用意してください。準備が整ったらあなたも私のすばらしいパーティーの一役を担うことになるのですから。
じゃ、あとでまた。I love you! イエスより。
主の降誕・日中のミサ説教音声(2005.12.25)
音声のみです。悪しからず。