トイさん安らかに

ノンハン湖午前中ほぼ3時間半のサイクリング。ワット神父さんのマウンテンバイクはかなり年季が入っていてガタガタ。8:40、「大丈夫!」という彼の力強い言葉に背中を押されてイザ。教会の周辺を一巡するつもりだったが、50分ほど行ったところで教会の尖塔が見えた。しかも、舗装道路。

そのまま、 Uターンして舗装道路を南下することに。今の時期ここタイの東北地方は田植えの季節。今日は雨なしの予感。間も無く穂が出るのではないかと思われるほどに伸びた苗。上半身をカットして植え付ける。

農家は貧しい。飛行機で乗り合わせた男性が「人口の8割しか税金を納めていな」と言った言葉が蘇った。生活レベルは5年前と同じ。しかし、軍事政権になって平和が戻った。そういえば、昨日のテレビのニュースは反政府側が隠し持っていたおびただしい武器が押収されたという。民主主義は今のタイには時期尚早。一時的には軍事政権が正解。そうでなかったら市民戦争に発展していた。「バンコクでは銃が野放し」と機内で聞いたことになるほど。

そんなことなど思い起こしながらペダルをふむ県道(?)は全くのどか。忘れた頃に車が通るだけ。さざまな野鳥の鳴き声に自転車を止めるが姿は見えない。花の写真はかなり撮ったが乱舞する蝶はなかなか。サコンナコンがきわめてフラットな大地であることを実感。坂といっても軽いスロープが繰り返されるだけ。全くの疲れ知らず。予定通り、11:30帰着。いい汗をかいた。

お昼の後、昨年亡くなったワット神父さんの弟の嫁さんヤムさんのお墓参り。朝から台所で料理をしたり、洗濯をしていた彼女の姿はもうない。「旦那がなくなっても家庭は残る。しかし、奥さんが亡くなったら家庭は消える。」ワット神父さんの言葉はきわめて至言。久しぶりの我が家(フレンドシップ ホーム)はまさにひっそりと寂しさの局地。心が痛んだ。

しかし、「ハロー、アンクル ケン!」の挨拶に驚いた。「ケンおじさん御機嫌よう」に驚いたのではない。バンコクで交通事故にあって瀕死の重傷を負ったビックが目の前の彼であることが判明したからだ。事故の知らせ以来祈り続けた甥が彼だったとは!かつてのかれは、無口で声すらも聞いたことがなかったというのに、別れ際には「ソ ロング テイク ケアー!」ナントと英語での挨拶。「陽気な人の血を貰ったからに違いない」とワット神父さんは笑うのだが、全く別人のビックに驚いた。

トクちゃん宅での招待夕食会は楽しかった。明日も晴れたらサイクリングの予定。

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