ゴアという文字が目に留まると思わず、「オッ」と立ち止まってしまう。先月のゴア巡礼がまだ生々しいからだと思う。
今月9日配信のUCANEWS、まず目に飛び込んだ記事は、 “ゴア州政府の援助を巡り信者分裂 “というものだった。
実は、今月14日(水)スリランカでは教皇による列聖式が挙行された。福者ヨセフ・バズは1651年生まれの司祭。ポルトガル植民地時代、ゴアはアジア地域の宣教拠点。1686年、福者は労働者に成りすましてスリランカ宣教へ。社会的にも大きな貢献をなして、スリランカの使徒と呼ばれている。
ゴア出身者の列聖式というわけで、1000名もの巡礼団が予定されていたという。すると、どういう風の吹き回しか、ゴアを中心とした西インド州政府連合は巡礼者500名にかぎり航空券の半額かあるいは190ドルを援助することに。当然、賛否両論が沸き起こった。
インド司教協議会の事務局長は、”貧しい人たちの参加を容易にする素晴らしいこと”ともろ手を挙げて賛成。ところが、列聖推進委員のゴア側の一人は反対。聖地スリランカでの式典準備のための援助なら分かるが、特定の宗教に援助すべきではなく、実際、本当に貧しい人々のためなのか怪しい。金持ちか政府寄りの人が受けることはあっても、本当に必要としている人はいつも外されている。
第一、この件に関して政府とは何のかかり合いもなく、問い合わせを受けたこともない。それに、政府と宗教は全く別のもの。宗教的なことがらに政府が関与すべきではない。そんなことをしたら、政府の財源圧迫を招くことになるだけだ。そんなことは教会がすべきであって、実際、教会は今回の事案を含め十分な予算をもっている。
さすが、ゴア人口1800万の26%を占めるカトリック教会の貫録。それにしても、ヒンズー教の州政府がどうして?部外者でも下心があるのでは、と疑いたくなる。さて、実際はどうなったのか、その後の様子は配信されていない。
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