風を待つ

南日本美術展。黎明館若いころ、日曜日のミサの後、司祭館に集まった青年たちとコーヒーを飲みながらワイワイやっていた。営業マンの彼はいつも明るく場を盛り上げていた。美術部の出身でコツコツと一人でデッサンに励んでいた。自分のコブシだったり、ギリシャ彫刻だったりした。仕事の傍ら通信教育で美大を卒業して美術教師の資格も得た。

そんな彼が、いつの間にか友人と会社を興した。草創期の彼は生き生きと次々とオープンする事務所立ち上げの秘話を語ったものだ。そして、あれよあれよという間に数千人の従業員を抱えるまでに成長した。バブルがはじけた時も一人も解雇しなかった。しかし、どんないきさつがあったのかは知らないが、定年を待たずして、手塩にかけて育てた会社を友人に手渡してあっさり辞めてしまった。そして、教会復帰も果たして班長さんも務めるようになった。また、好きな絵を描くためにと静かな町はずれの一角にアトリエ兼別荘も購入。

前置きが長くなったが、その彼の一貫したモチーフが“風を待つ”。今回、南日本美術展に入賞したのは100号の大作。招待券をもらったので午前中鑑賞してきた。彼の絵には、いつも故郷がある。前回この冬は霜に勝つ!東京で賞をもらった作品を見ていたせいで一貫したメッセージを感じた。丸いのは地球。戦争で苦しむ人々が脳裏から離れることはなく、故郷奄美のゆったりした時間と穏やかな暮らしが平和の原点。そんな思いをあの難民たちに思いをはせながら描いたに違いない。黄色を多用していて、他の作品にはない色調が目を引いた。

ちなみに、風はギリシャ語でプネウマ、聖霊のことだ。自分にもあの苦しむ人々にも神様の愛の力、聖霊を待ちながら生きている彼の思いが届くといいのだが。信者がもう一人入賞していた。

ドラゴンフルーツとコーヒーの木の冬対策完了。

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