3日間の巡礼が終わった。何よりも叙階式はさすがに規模の違いに圧倒された。300名の司祭団に15000人の参加者。参加者は各教会30人と制限。運転手のセバスチャンによると、「助祭や司祭を祝う教会はもっと多かったと思う」。彼の教会は30人。
叙階式そのものの喜びは当然のことながら、フランシスコの2人の兄上と会えたのも嬉しかった。かねて、家族の顔が見えなかっただけに気になっていた。「叙階式に参加する家族もなく寂しい思いをしているのではなかろうか」不憫だったのだが、帰りしな出口で名乗ってこられた。チョルバンサン教会(フランシスコの出身)でのパーティにはもう1人の兄上も来られ、10人ほどの親戚も顔を出されて心強い援軍にすっかり安心した。
家庭の事情は分からないが、司祭職に大きな一歩を記したことで、15年も末っ子の彼が1人で母上の介護に当たった苦労に1日も早く報いてあげたい気持ちが募った。親戚の輪の中にいた姪御さんの通訳で、「できるだけ、皆さんの都合のいい日にしたい」と話したら一斉に顔を輝かせた。9月22日の方向で検討する旨を告げた。すると拍手付きの歓声が上がった。身内の皆さんはもちろん、チョンバルサン教会の主任司祭と信者たちからいかに愛されているかもよく分かったので兄上は勿論親戚の皆さんと主任司祭はじめ多くの信者たちが駆けつけてくれるものと思われる。
叙階式を巡ってもう一つ特筆すべきことがある。巡礼最後の日の今朝は宿泊先の小さなお御堂でミサをすることにした。ミサを準備しながら気がかりなことがひとつあった。自称「10年休眠中信者」のガイドさんのことだ。「ミサに出るはずなので聖体拝領は10年選手と聞けばさすがに辞退するだろうが、手を出したらどうしよう。」ずるいとは思ったが末吉神父さんに頼んだ。
彼女が辞退したら少なくとも1枚残るはずだ。ところが、みんななくなっていた!手を汚さなかった?ことで少しホッとしたがなんとなくスッキリしないまま、「主の平和のうちに…」閉祭。持参したミサ道具を片ずけていると居間から声が聞こえてきた。
昨夜遅く、既に床についていたので気がつかなかったが、二階の間でベネディクト神父さんに赦しの秘蹟を受けたのだという。思わず、「小さな巡礼の大きな恵み!」食卓について、「おめでとうございます!コーヒーでカンパーイ!」
今回の巡礼は彼女のためになされたようなものだ。運転手のセバスチャンは聖霊運動のリーダーというから彼女をしっかりフォローしてくれるに違いない。ソウルの渋滞と連日の2時間近いドライブには全く閉口したが、疲れが一度に吹き飛んだ感じだ。神に感謝!
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