遅い飛行機のおかげでおまけがついた。お昼の後、本物の観光に連れて行ってもらうことに。「海岸がきれいから」と連れて行ってもらった先には想像した白砂青松の海岸はなく巨大な人工化された人気の観光スポット。しかし、人工は人工でも一味違っていた。
「シンガポールは何でもさっさとやってしまう」のだという。人が喜び、かつ、ためになることってどんなことか。狭い国土をどう活用したらいいか必死に考えた末に思いついたのが、巨大ホテルの屋上の船の公園や二つのドーム植物園、それにスーパーツリー他。
昼も夜も考え続けて「コレだ!」と決まったら行動は早かった。それでも十年ほどの年月を費やして4、5年前に完成した。入館料は約1500円。
手前のドームはフラワー館。サボテン園に始まり様々な花を楽しみながら階下に降りて外に出るころにはかなりの疲労感が。すると、そこには喫茶コーナーがあって心憎い。
一息入れて20数メートルの滝もあるロストワールド。文字通りの意味は失われた世界。ここは、おどろおどろしいお話の世界。かつては栄華を極めたナントカ王国。今では、コウモリが飛び交い様々の伝説が残る不気味な景観の巨大な天空の城跡を思えばいい。
エレベーターで最上階に上がると思わず足がすくんでしまいそうな60数メートルもの天空を行く遊歩道が。ロストワールドを外から眺めると様々な植物や花々で包まれた別世界が。如何にも朽ち果てた様子を演出しているのが骸骨の置物など。
階下に近づくと、物語の世界から一気に現実の世界に引き戻される。2060年までの地球温暖化の様子が手に取るようにわかる科学館。多くの人が大型スクリーンに映し出される温暖化による被害の様子に見いっていた。子供だけでなく大人にも勉強になる。広大な敷地は全て排出されたゴミからできた土による埋め立て。巨大ドーム用の冷房をはじめあらゆる電気は、排出ガスゼロのソーラーシステムによる自前。ナイヤガラの滝を連想させる滝や人工の池を満す水も雨水利用の循環。人に気を使い自然環境に気を使う究極のエコアミューズメント施設。
ふと、随分前に行ったディズニーランドのことが思われた。もちろん理念が違うので単純な比較は禁物だが、あちらはやっぱりアメリカ流民放的お楽しみ番組で、こちらは楽しく学べるアジア流というかシンガポール流NHK的教育番組。しかも、退屈させないあの手この手が満載。
会場を出るともう5時半。ラクスとかいう名物丼の少し早い夕食。細目の麺に、具はゆで卵一個に鶏肉少々、それにかまぼこを小さくスライスにしたようなもので、丼全体が赤みがかってはいるが思ったほど辛くはなく絶妙の味。汁まで飲み干した。
案内から空港までの送りとすっかりお世話になったパトリックとレイチェルは今期で代表を終え自由の身となって晴々。またの再会を期待し合って7時半空港で別れた。
そして今日、午前11時過ぎに帰館。すぐにミサをして、お昼を済まし、シャワーをしたら教区評議会開催15分前。滑り込みセーフ。
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