色合いを楽しんだ日
久しぶりの絵画教室は南洲神社境内。お目当てはもちろん桜島。目の前に迫る吉野公園からの桜島と違い、町並みの向こうに、かなりかすんで見える。山肌も判然としない。しかし、時間と共に起伏に富んだ山の様子が少しづつあらわになってきた。
目を凝らすと、微妙に違ういろいろの色合いが見えてきた。山の陰影。濃いブルーの切り込み、黒味がかった壁、黄色味を帯びた向かいの斜面。こんもりと盛り上がった深い緑の中腹。白っぽく映える南岳付近。自信無げにブルー一色で塗られた山に少しづつ生気が注がれた。色の置き方にも方向があることを教えていただいた。
「真ん中の緑が効いています。」何気なく無造作に置いた緑だったが、先生の一言に、改めて山全体を眺めて「効いている」ことを自分なりに検証した。ほんの少し、「写生ではない。作る」世界を垣間見たと思った。
「今日はさわやかな作品ばかりが出来ました。」先生のご指導を受けながらではあったが、僕もその一人に数えていただいたようで嬉しかった。
- 絵も人間関係と同じです。こうして、山と海、物と物をはっきり分けるのではなく、境界はぼかすんです。
なるほど、確かにそうだ。特に日本人の感性はあいまいさが美。明確さも必要だが、いつもそうだと気が休まらない感じがする。キャンバスに向かう姿勢に人と関わる人生観があったとは!それにしても、最後の批評の時間の歯に衣着せぬあの厳しさは何なんだろう。曖昧さとは無縁。だが、誰もが「認めてもらった」と感じるところに先生の指導の魅力がある。「あなたなりでいい。」それで、みんながホッとする。これこそ福音。
さわやかな五月晴れの日差しを受けながらさわやかな気持ちで教室を後にした。
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