闇の聖人
イザヤ43「1ヤコブよ、あなたを創造された主はイスラエルよ、あなたを造られた主は今、こう言われる。恐れるな、わたしはあなたを贖う。あなたはわたしのもの。わたしはあなたの名を呼ぶ。
2水の中を通るときも、わたしはあなたと共にいる。大河の中を通っても、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、焼かれず炎はあなたに燃えつかない。5恐れるな、わたしはあなたと共にいる。わたしは東からあなたの子孫を連れ帰り西からあなたを集める。」朗読に続いて祈り。今回の指導司祭の導入のパターン。
「私の体験をみなさんと分かち合うことで皆さんの何かのお役にたてば…」と初日に言われたように午後の講話もヨセミテ公園(アメリカ)の美しい写真から。豊かな才能に恵まれた司祭のようで、自然と多くの仕事がまわってくることに。その結果、心身の疲労も人並み以上。司祭としてのアイデンティティーが問われたほど。
そこで、かつて修練期を過ごしたアメリカに戻って心身のリフレッシュ。その時に出かけたのがヨセミテ。個人的すぎる感じがするので、詳細な経緯は省くが、美しい自然と丁寧な指導の結果すっかり元気を回復されたのはいうまでもない。長いトンネルを抜けた人にとって冒頭のイザヤの言葉は心に浸みたことだろう。
締めくくりとして紹介された話は興味深い。マザー・テレサの書簡集が出版されて日本語による翻訳作業が進行中だという。そのマザー・テレサも深刻な心の闇を体験したことが赤裸々に綴られているという。本のタイトルはCome, Be My Light来て私の光となりなさい。彼女が新しい修道会を立てるために修道会を出る決意をさせたイエス様からの言葉だという。
「私が信じている神は神ではないのではないか。実は、神様は存在しないのではないのか。…」まだまだあったが、思わず耳を疑うような深い闇の真実。しかし、彼女は聖人になりたいとも言っていて、「もし私が聖人になったら闇の聖人と 呼ばれるでしょう」と言ったとも。アメリカではあのTIME誌が表紙に彼女の写真を載せてセンセーショナルに取り上げているという。早く読んでみたいような、少し怖いような。
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