1.18ミサ説教音声（mp3)

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イザヤの預言６２，１－５

2004.1.18記

シオンのために私は決して口を閉ざさず、エルサレムのために私は決して黙さない。彼女の正しさが光と輝き出で、彼女の救いが松明のように燃え上がるまで。諸国の民はあなたの正しさを見、王は全て、あなたの栄光を仰ぐ。主の口が定めた新しい名をもってあなたは呼ばれるであろう。あなたは主のみ手の中で輝かしい冠となり、あなたの神のみ手の中で王冠となる。あなたは再び「見捨てられた女」と呼ばれることなく、あなたの土地は再び「荒廃」と呼ばれることはない。あなたは「望まれるもの」と呼ばれあなたの土地は「夫を持つもの」と呼ばれる。主があなたを望まれ、あなたの土地は夫を得るからである。若者がおとめをめとるように、あなたを再建される方があなたをめとり、花婿が花嫁を喜びとするようにあなたの神はあなたを喜びとする。

今日のイザヤも難解な感じがするが、しかし、希望的な感じではある。少なくとも、青字の箇所は、私たちの存在の根本に関わることなので読み過ごすことはできない。
　
　とくに、私たち一人一人は、どんな人であろうが、マザーテレサの言葉を待つまでもなく、「望まれずして生まれた人は一人もいない」のだから、「あなたは望まれるもの」という言葉の響きは心の底を揺るがすほどに力がある。

　まして、洗礼を受けた者にとって、「新しい名をもってあなたは呼ばれる」と聞けば、自分の洗礼名を思い出すはずだ。

　私の誕生、私の洗礼、いずれもそれを望まれた神がいるということだ。しかし、現実には、ありのままの自分自身を素直に受け入れることができなくて、劣等感や自分嫌いになったりする。たとえ、洗礼を受けたとしても、イザヤの言葉一つ一つが他人事に聞こえたりする。ある意味、仕方ないことではある。
　そういう、仕方のない状況があるから、私たちには、「あなたを再建される方」が必要になるワケ。そういう仕方のない状況にいつまでもいて欲しくないので、神様は、あなたが洗礼を受けることを望まれ、ご自分の夢の共有者になって欲しいが故に、日夜、あなたの「再建」に尽力しておられるワケ。そうして、再建されたあなたを目を細めてみたいワケ。
　そう聞いて、「ああ、そうだったのか」と頷き、そんな神様の本気さに心動かされて、何とかその気になろうと、健気（けなげ）に自分の足下を眺め直そうとする。そのとき、ただの水が芳醇なぶどう酒に変えられたように、ただの信仰が預言者の信仰へとステップアップすることになる。
　当局側はもちろん、問題は、まず、あなたがあなたに預言者となることなんですケド…。