洗濯干し場兼鉢物の置場兼養生場である4階屋上。シンビジュームの鉢が5,6鉢。いずれも毎年暮れの頃に届いたものばかり。
部屋の中で鑑賞していたころは水やりに気を使ったものだが、終わってしまったら、水をやったのがいつだったかも忘れるほどの冷遇にさらされながらの屋上での老後。
申し訳ない気もするのだが、いじけることもなく、けなげに生き延びている彼らには脱帽だ。しかも、根を張ることもできない固いセメントの上で。太陽が好きな植物らしいのでその分恵まれていたのかもしれない。天気のいい日は洗濯物を干すついでに見て回るのだが、気がかりだからだ。
そんなある日、紫の葉っぱを付けた二本の茎がニョロッと伸び、先端に可憐な花を咲かせている植物発見。といっても、これまた、誰かが放置したものなのだが。急いで、葉っぱを白くマダラに染めている桜島の灰をふき取り小聖堂のマリア様に捧げた。
1日留守にして帰ってみると、なんと花はなく紫の葉っぱだけが輝いていた。それだけでも、何となく気品があっていい雰囲気なのでしばらくそのまま置くことにした。そして、4日後の今朝、またも小さく白いものが同じところに。ミサを捧げている間に開花!朝食を済まして、戻ってみると立派に開花完了。見ると、脇の方からもう一つ、つぼみらしいのが顔を出していた。なるほど、こんな風に次から次に咲き続けるのかもしれない。
そんな驚きとともに、名前を知りたくてフェイスブックに投稿したら早速お二人からの返事で名前が判明。トラデスカンチア・パッリダ、和名紫御殿。ただ、さまよえるユダヤ人(the Wandering Jew)としても知られているというコメントについては確かめることができなかった。トラデスカンチアは17世紀の王宮造園師の名前だとか。だから、御殿の名前もついたのかもしれない。
放置された花から思いがけない新知識と出会えた心楽しい日となった。皆さんありがとう。
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