風は南から、和尚さんとの二人三脚大阪ミッション一部始終

曹洞宗にもパウロがいたという話のはじまり

「大阪にも永平寺での修行仲間がいるから連絡を取りたい。」毎月初めの日曜日3時からの平和行進後の反省会で、旗振り役の鎌田和尚さんが意欲的に話された。昨年の秋の頃だったと思う。そして、「司教さんにもご同行願いたい。」前田枢機卿さんを紹介した手前、何よりも行進の「会長」を押し付けられた者として承諾せざるを得なかった。久しぶりの遠出は億劫だったが、少し重たい気分でも8時前に車を出した。

久しぶりの関空は鉄骨むき出しの仮設を思わせる寒々とした雰囲気が印象的。近鉄上本町駅近くのホテルにチェックインした後、道向かいのうどん屋で遅めの昼食をとって一休み。

多士済々の曹洞宗パワー

ホテル近くの料亭に集まったのは12名。曹洞宗5名、浄土宗3名、門徒2名、カトリック2名。なんと高見大司教さんも来てくれた。向かいの席は曹洞宗の尼さん。お寺に住まず民家で一人暮らし。地域のみなさんと痛んだ地球を癒すための活動をしているとのことで「地球のお医者さんをやっています」と語られた。フランシスコ教皇にも負けない熱さを感じた。中には「信愛女学院短大の学長をやっています」と自己紹介されたお坊さんもいて、思わず顔を上げた。「ラサールを出ました」という浄土宗の若いご住職は世界仏教青年会の会長という肩書。多士済々。

肩書がものを言った?

仏教界での核廃絶運動の中心人物という浄土宗のご住職の感想が面白かった。「何の集まりかもわからないような会に招かれて不本意な感じできたが、大司教がいて、学長もいて、これはすごい集まりじゃないか。今まで甘く見てました。」やっぱり、お坊さんたちにとっても、肩書は力を持つらしい。正直な感想に好感が持てた。しかも、翌日の前田枢機卿さんとの面談にも出席されて、8月6日の平和行進実施に向けて大変な意気込みを示された。

最大の収穫は神戸ミッション

日本最古のモスク(戦前)

日本最古のモスク(戦前)

7日(火)9時半神戸のモスク訪問。まだ40代かと思われる髭のイマーム(指導者)は、親切に迎えてはくれたが、「何事ならん」と幾分緊張気味だったが、「宗派を超えて平和のために働きましょう」と訴える鎌田和尚さんの熱い弁舌にほだされたのか、次第に言葉数が増えて、「神戸にはあらゆる宗教があるが争いがない。世界では宗教が違えば戦争ばかり。神戸から発信すれば一番力がある。そして、始めるのは優しい。」教会と神社も紹介されたものだから、予定になかった生田神社とカトリック中央教会も訪問できた。神父さんは神社まで案内してくれた。「ぜひもう一度来てすべて周りたい!」鎌田和尚さんにまた火がついた。

和を以て尊しとなす

堂内は土足厳禁。「行進の時の祈りはこの石畳がいいね!」

堂内は土足厳禁。「行進の時の祈りはこの石畳がいいね!」

実は、鹿児島諸宗教懇和会を立ち上げたときこだわったのは「懇話会でなく懇和会」。「話し合うことが平和を生むのではなく、平和のために何かを一緒にすることが大事」ということが一致した理念だった。だから、聖徳太子ゆかりの四天王寺訪問は、鎌田和尚さんの強い願いだったわけで、初日に集まった一人のご住職の紹介で実現。子どもの頃から耳にしていた聖徳太子のお寺に詣でることが出来たのは、門外漢のボクにも灌漑深いものがあった。

一部始終とまではいかなかったが、こうして和尚さんとの二人三脚での大阪ミッションはたくさんの成果のもと無事終了した。それにしても、鎌田和尚さんの熱さには敬服。初日から最終日まで会う人ごとに同じメッセージを変わらぬ熱さで語る姿はまさに曹洞宗のパウロだった。「風は南から!」コーヒーで乾杯した。

生田神社では南京玉すだれの奉納と演目の披露が

生田神社では南京玉すだれの奉納と演目の披露が

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