福島は今2

それでも!Blog
駅前観光案内 - 震災前は多くの観光客でにぎわった。被災したままの商店が痛ましい。

福島の問題は、放射能による環境汚染や健康被害もさることながら、実は巨大な人権問題であり、さらに深刻なのは差別問題なんだという。 具体的にいうなら、仮設に住む人と借り上げ住宅に住んでいる人の間の問題。

住み心地がいいのは借り上げ住宅に決まっている。仮設に住む人から「裏切り者」と罵られた人もいるという。また、避難先で家を購入したら近隣住民から嫌味を言われ、いたたまれずに引越しを余儀なくされた。

さらに深刻なのは補償問題。「補償があるのだから働いたらいけない」と言われた という。働くことで収入があるなら補償が受けられないということらしい。除染に関しても深刻な問題がある。ある市の場合、1人につき月10万円の補償がある。ということは、5人いたら月50万円の収入ということになり、何もしなくても生活できるわけで、高級車に乗りパチンコ三昧の人もいるとか。

さらに、「ボランティアは私たちの生活を探りに来たのではないか」など、ボランティアの心が萎えてしまうような言動も。「こうした状況がいつまで続くものか見通しが立たない」と聞けば、震災 直後の世界を感動させた絆はどこに行ったのかと言いたくなる。しかし、故郷の全てを失っただけでなく帰る希望も絶たれた被災者たちの悔しさと怒りの深さを思うと言葉がない。

しかし、「福島ナンバーの車給油お断り」というガソリンスタンドが今もあるという。もし本当なら、怒りを通り越して、あまりの情けなさに泣けてくるではないか。そういえば、松木町教会のお母さんの一人が話されたことで大人の無神経さが子供の心までも苦しめていることに胸が痛んだ。「栃木の震災瓦礫を福島に」という話を聞いた小学生の娘さんが「福島はゴミ捨て場になっちゃうのね」と言って泣いたという。これまで聞いた皆さんの話の中でもっとも心が痛んだ時だった。それでも、「怒りからは何も始まらない。生かされている感謝から始めたい」という高校生の言葉に目からウロコの体験談も。

「帰宅困難区域」と書かれた赤文字の立て看板と進入禁止の金属製のバリケード。ゴーストタウンと化した町は文字通り死の町。出番もなく車庫に眠るトラクター。中古車センターに放置された数十台の車。真新しい住宅に高層マンション。雑草の生えた量販店の広い駐車場。すべての機能が停止し再開の可能性はゼロ。荒野と化したかつての緑豊かな田園風景。そんな世界に降りつのる雪。かつて体験したことのない異次元の世界。しかし、現実。やっぱり原発は絶対ダメ。そんな思いを強くした福島研修会だった。

日本酒をお土産に買った。

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