明るくお別れ

141101那覇教区から石神前任司教の訃報。26日のこと。しかし、葬儀ミサの案内は11月1日諸聖人の祝日。

生前の司教様の生活は、単純で質素、まさにフランシスコ会員として小さな兄弟たちのカガミ。天国の聖人たちの輪の中にいるイメージは生前からのもの。いろいろな事情が重なり合ったということもあるが、ふさわしい日取りの設定ということになる。

子供の頃、アメリカで司祭に叙階されて帰国されたばかりの奄美出身の神父様を見ながら、遥かな遠いアメリカという国に思いを馳せた日の記憶が蘇った。スラッとした長身に茶色(だったように思う)の修道服、フランシスコ会員のシンボルであるあご髭、メガネの奥の優しく微笑む細い目。穏やかな物腰。60年前?の記憶は鮮明だ。

その神父様が那覇教区の初代司教石神(いしがみ)司教様。お会いするたびに、父をはじめ家族の消息をあの当時と同じ穏やかな笑顔で確かめられ、まるで身内のような親愛の情を示された。一つ一つが懐かしい。

「連休のため飛行機は満席」との情報に、急遽福岡から飛ぶことに。沖縄はさすがに未だに夏が残る南国。上着不要の汗ばむ陽気。そんな今日11月1日、最後のお別れをしようと集まった信徒やカプチン・フランシスコ会の兄弟たち、それに教区司祭や信徒たちで聖堂は溢れた。元神学生が運営する葬儀社の司会はさすがにテキパキと聖歌を歌うタイミングにも指示を出す。

遺影の司教様は当時と同じ少しはにかんだような笑顔。「長寿の国沖縄では94歳はまだ若い。 …天国で安らかにお休みください、とは祈りません。天国でこの小さな教区のため、あなたの子羊たちのため神様の前でまだまだ働いてください。」淡白な司教さんが時には声をを詰まらせながらも楽しい説教をされた。

告別式では7名の司教さんと数十名の司祭たちが一人づつ遺体に献香。初めてのことで印象深かった。最も印象深かったのは、遺体と祭壇正面の両手を広げた復昇天の主の御像との組み合わせ。主が司教様を御父のもとに招いておられるようで心が和んだ。

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