今年は、各幼稚園の入園式の日取りがそれぞれ異なるため、今週は月曜日から連日入園式や入学式づくめ。おかげで、各幼稚園で父母の皆さんにカトリック幼稚園がモンテッソーリ教育を推進していること、それがいかに素晴らしい教育法であるかを強調できてよかった。
一つ一つの教具の持つ意味や目的は科学的で素晴らしい。科学的といえば大げさに聞こえるかもしれないが、子供への提示は分析、統合を基本とするからだ。
テーブルの拭き方ひとつ取っても、無造作に丸く拭くのでなく、縁に沿って縦、横に拭くことで子供は拭き方の原則を目で確かめることができる。物を握る時も、5本の指を一斉に握るのでなく、小指から順序よく握っていく。「しっかり握って」と言うだけでなく握り方を分析して見てもらうわけで、こうしてしっかり握ること(統合)が実現する。
数の教具の提示も目を引く。例えば、“紡ぎ棒”。これは数という抽象的な概念が1本、2本などといった具体的な概念と結びついているかを確認する教具。子供たちは、0,1,2,3…9の数字のところにそれぞれに見合う数の棒を置いていく。これが分析。9まで置けた子供にとってゼロがどういうものかは一目瞭然。「ゼロは何にもないことなの。」先生がすかさずゼロの定義を言う。子供は見て納得。これが統合。
オット、今は講義の時間ではない。入園式に話しを戻そう。式は粛々と進み記念撮影になった。どこでも見る光景だが嫌がる子がいるのはいずこも同じ。しかし、今日の女の子は違っていた。椅子に座ったままずっとしゃくり上げていたが、椅子を離れてお母さんのところに駆け寄ることはしなかった。いじらしいというか、一生懸命頑張っていたのだと思う。”小さな巨人“(著者名失念)で紹介された子供たちのことが思い起こされた。
明るい先生たちのもとでみんなが強い心の子に育ってほしい。
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