タイムスリップ
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親離れした兄弟姉妹のヒナたち
ここタイの東北の村には、60年前の故郷の生活が残っている。家長たるワット神父さんの一声で兄弟たち3人か駆り出され、お別れパーティの準備が始まった。1万円の小ぶりの白豚が搬入され、慣れた手つきで屠殺、解体が進行して、12時丁度にレチョン(子豚の丸焼き)の手はずが整えられた。個人的な屠殺解体は、日本ではもはや禁止のはず。
酒とともに
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ハーブの木片に入れられたドブロク
こうした荒仕事(アラシゴト-確かこれも故郷の方言)に酒は欠かせない。40度のきついドブロクをあおり、ビールで喉を潤しながらひたすら焼き上がるのを待つ。といっても、時々、焼き過ぎないように、指導役のトゥムさんのチェックが入る。コンガリ具合を見ながら水で湿らすのがコツのよう。
初体験は辛い
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パリパリの皮と肝臓その他
そうこうしているうちに、ティアさんが腸の炭焼きを持ってきた。一瞬たじろいだが、一旦終了したリーゼンシーを再度継ぎ足して、細くなった腸を口にした。「最高だよ」とワット神父さんが言った通り、確かに滋味豊か。しかし、洗浄前の腸が生々しくて二口で止めた。と、思ったら、今度は舌が運ばれた。牛の舌ならともかく、ブタの舌は初めてだ。なんだか生々しくて牛タンとは大違いでこれも二口で終わり。
階下の当て外れ
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ゆっくり時間をかけて焼きあげる
時は過ぎ、ハヤ1時間50分。又しても、トゥムさんのチェックが入ったかと思ったら、ナイフを入れ、弟のティアさんを呼んだ。「司教さんに持って行け」と言ったらしい。案の上、しばらくしたら、食べやすく切り分けられたパリパリの皮が届けられた。固いせんべいを食べているよう。毎回上がって来るのも気の毒なので階下に降りてみんなの輪に入った。折良くティアさんがコップにビールを満たした。てっきりボクのためかと思いキヤ。ナ、ナント揺り椅子の奥さんに持っていくではないか!(コラ!ワシにも一言断れ!)
これってレチョン?
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ワット神父さんの弟たちの家族と
皮のお代わりは来ても、本命の肉そのものが来ない。焼き上がった肉にありつけるのはいつのことか。ワット神父さんに話したら、「もう焼けているよ。自分でとったらいい」と言ってナイフを渡された。(ナンダ、そういうことだつたのか)焼き目のついたロースの辺りを一口サイズに切り取った。意外と固く淡白な味に失望。正直に感想を述べたら「骨についた肉が一番美味しい」と言ってアバラ骨を切り分けてくれた。確かに美味しかつたが、久しぶりのレチョン体験が、腸と舌に肝臓、それに皮と骨だけだつたとは!
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