ついに完

iPadの書籍一覧。聖金曜日に完になるとは!どうでもいいことだが、実は、iPad内蔵の本棚でレミゼラブルを見つけたのは数年前。飛行機や旅先で読むことにしている。だから、一気に読み切るというわけにはいかないが、頁をめくるにつれて次第にのめり込んでいった。

ジャンバルジャンの数奇に満ちた人生が一幕ものとして描かれるなら、ある程度、筋書きを先取りすることも可能だが、著者のビクトル・ユーゴーは読者を思うままに翻弄して楽しんでいる感さえあって何度イライラさせられたことか。主人公そっちのけで長々と歴史が語られ、著者との付き合いに疲れた頃、「この辺りでは見かけたことのない男」がそっと登場する。

著者の巧みな術中にハマっている者としては思わず、「一体何者?」つい先を急ぐと「ナンダ、ジャンバルジャンだ!」ということになる。この手法に慣れてくると、“不審人物”がいつ登場するか楽しみながら読むことになる。こうして最後まで読ませてしまう著者の巧妙さに乗せられるのがまた悔しい。

かつての主任司祭マルコ神父さんの25周年記念に植樹。イッペイの木。ともあれ、時代の波に翻弄されながらもぶれることのないジャンバルジャンの気高い生き方に、著者が、神でありながら十字架の死に至るまでご自分を無とされた(フィリピ2,6-8)主を重ねていることは間違いない。囚人船での命を賭しての同じ囚人の救助など他の人のために体を張った生き方は一貫して変わらない。

圧巻は、王制打倒を目指して市中の砦に立て籠もり、全員が壮絶な最後を遂げていく中で、瀕死の重傷を負ったマリウスを背負っての息詰まる逃亡劇。このときも、見知らぬ老人が弾丸雨あられの中を砦に現れるといういつものパターン。この頃になると、さすがのボクでも正体が読めているので、主人公が死ぬはずがないと安心。その後も二転三転、事態は必ずしも予断を許さないものがあったが、もうその手には乗らなかった。

そして、聖金曜日の昨晩、7時の受難の式30分前に、新婚のマリウスとコゼットに手を取られながら安らかに完。ハッピーエンドは主の復活の先取り。今夜は一足早く乾杯しよう!

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