シャイ君PartⅡ
今日は丸一日、11名の中高生とシャイ君のお話を巡って一日黙想会。8月17日に紹介したシャイ君のお話の続きを紹介しよう。
「シャイ、一塁に走れ!一塁に走れ!」
シャイはこれまでこんなに遠くまで走ったことがありませんでしたが、何とか一塁に立ちました。彼は、われながらビックリしてベースラインに転がり込みました。
「二塁に走れ!二塁に走れ!」みんなが叫びました。
シャイは一息入れるとヨタヨタと二塁を目指しました。そして、なんとかベースにたどり着こうと必死に急ぎました。ところが、シャイが二塁にたどり着く頃には、ライトの選手がボールに追いついていました。今やチームのヒーローになるチャンスを手にしているかと思えた一番背の低いこの選手、二塁に投げてタッチアウトを取れたはずなのに、ピッチャーの意図が分かっていたので、わざとボールを三塁の頭上高くに投げたのでした。シャイは、前の選手がホームベースに向かって回ったのを見て無我夢中で三塁に向かいました。もう、全員が叫んでいました。
「シャイ!シャイ!シャイ!もっと行けもっと行け!シャイ!」
シャイが三塁に立てたのは相手チームのショートが、三塁方向に向って一緒に走り、「三塁に向かえ、シャイ、三塁に!」と叫んでくれたからでした。
シャイが三塁を回った時、両チームの選手と、観客は総立ちになって叫んだのです。
「シャイ、ホームだ!ホームだ!」
シャイはホームに向かって走りに走って、ホームベースを踏みました。そして、まるで満塁ホームランを放ってチームに勝利をもたらしたヒーローのように歓喜したのでした。
この話を終えた父親は、
「あの日」とそっと顔を伏せ涙ながらに言いました。
「あの日、助けてくれた両チームの少年たちが本当の愛と人間らしさの一つの姿を私たちに見せてくれているのです。」
シャイは、次の夏を迎えることはありませんでした。その冬に亡くなったのです。ヒーローになって父親をあんなにも喜ばせたこと、家に帰り、涙ながらにその日の小さなヒーローを抱きしめた母親に会ったことなど決して忘れることはありません。
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Re:シャイ君PartⅡ
国は違っても、心に響く話はちゃんと分かるんですね。
少し安心しました。
Re:シャイ君PartⅡ
いつもコメント有り難うございます。
このページでも「いいお話し」を時々紹介したいと思います。
フィリピン人の友人からよく届くのです。