二つの思い出の狭間で
今日は9.11。アメリカのイラク政策をどう評価しようと、突然命を奪われた無辜の市民と愛する人々を失った人々の悲しみの深さは風化させてはならない。そんな不条理はアメリカだけのものではないのだが・・・。
それでも、あの11名の中高生たちとの一日はかけがえのない思い出だ。それで、もう一つの「いいお話」を今日も紹介したい。彼らが出来れば不条理に遭遇することなく、いや、たとえそうであっても人間の心を失うことのない人生を築いていけることを祈りながら。
一杯のミルク
ある日、一人の少年が家々を回って物売りをしていました。彼は手元に10セント(約15円)しかないのに気がつきました。それで、次の家を回る時には「何か食べるものをください」とお願いしようと決心しました。しかし、出てきた人が若くてきれいな婦人だったので、「食べ物をください」と言えなくて、「水を一杯くださいと」と言いました。すると、彼がお腹を空かしていることを察した彼女は大きなコップ一杯のミルクをあげました。彼はゆっくり飲み干してから、恐る恐る尋ねました。
「ボクいくら払ったらいいの?」
彼女は言いました。
「そんなの要らないわ。お母さんが、親切をしたらお返しを貰ったりしてはいけないって。」
彼は言いました。
「そう。じゃあ、ホントにありがとう。」
ケリー少年は彼女にお礼を言って家を出ました。そのとき彼は、なんだか体が元気になったばかりでなく、神様への信仰もまた男の子としても強くなったように思いました。そして、それ以来、いつでも惜しまずに与える心の用意が出来ていきました。
それから何年も後のことです。あの若いご婦人がひどい病気にかかりました。かかりつけのお医者さんもお手上げの状態でした。とうとう、大きな町の病院に移ることになりました。そこには、彼女のような珍しい病気を専門にする先生がいたからです。
ケリー博士が診察室に呼ばれました。彼は、患者さんの出身地の町の名前を聞いた時、一瞬何かが閃きました。彼はすぐに立ち上がり、彼女の病室のあるホールへと向かいました。白衣を羽織って急いで彼女の部屋に入りました。やっぱりあの時の彼女であることがすぐに分かりました。
彼は、彼女を救うためにベストを尽くそうと決心しました。その日から、彼は彼女の病気に特別の注意を払うようになりました。そして、長いことかかりましたがやっと治療に成功しました。
ケリー博士は、治療費の請求書確認のため最後に自分にまわすよう言いました。彼は請求書に目をやってから、端のほうに何か書き付けてから彼女の部屋へと回しました。彼女はそれを開けるのがとても怖いでした。何故なら、これから一生かかって払わなければならないほどの金額に違いないと思ったからでした。それでも彼女は恐る恐る請求書に目をやりました。彼女は請求書の隅のほうに何かがあるのに気がつきました。Q4それは次のように書かれていました。
◇次の質問をみんなで考えてください。
4. 何と書いてあったでしょうか。
*中高生とは時間切れでこの話は使わなかった。
答:「一杯のミルクで支払済み」
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Re:二つの思い出の狭間で
ずうーっと昔、僕がこどものころ、ある高名な和服を着た眼科の先生の
所へトラコーマで通っていましたが、お金を請求されたことがなかったことを
今思い出しました。一杯のミルクも差し上げたことがないのに。