アトリエ歓談
約束の三時。先生宅への右折道路は工事中で進入禁止。あわてて電話で指示を仰ぐ。吉野台地の奥はなかなか深い。谷を下ったところを左に曲がって突き当たりを左に折れて真っ直ぐ上がった突き当たり。何とか迷わずに着いてホッとしていると、庭先にはもう先生が立っておられた。
先ずは、ご自慢の庭園の案内。聞きなれない名前のさまざまな植物が腐葉土の花壇に所狭しと繁茂。一番興味深かったのは「クリスマスローズ」「どうして今の季節なのにクリスマスですか?」「さあ???」「あ、これはカタバミですね」「オキザリスです」「エッ?アレハタシカニかたばみ・・・。あ、あオキザリスですね」ともかくみんなのびのびでいいなあ。ふと、屋上のプランター育ちの我が植物たちが偲ばれた。さぞ窮屈に違いない。こんな風にのびのびと育てたいのだが・・・。
まるで奥様のご帰宅が合図であるかのように「さあ、中に入りましょう。」窓寄りには百号ほどの大きなカンバス。左半分ほどには黒を基調とした、どうやら人の顔らしいものが。「キ、キリスト・・・ですか?」「そうです。実は・・・」手のひらに乗るほどの小さな木彫りのマスクが目の前に差し出された。ロンドンで求めたものだと言う。「キリストを彫ろうとしたんだと思うんです」カンバスの顔は先生の独特なタッチで輪郭は鮮明でないが、モデルよりも受難のキリストの雰囲気が漂っている。このキリストを中心にご自分のアトリエの様子を描いてみたいと言われた。そう言えば、もう一つの「アトリエの大作」の左上には十字架が描かれている。「いつもあそこに帰るんですね。」「ええ、そうなんです。」
自然と話は教会のことに。「私は神様とだけ繋がっていたいんです。」どうやら、信者たちとのお付き合いは苦手らしい。芸術家の特性というわけでもあるまいが、こうした信仰者は別に珍しくはない。自分なりに割り切ることなく、葛藤しておられるのは良心的?公会議が「教会は神の民」と定義したことなど話してはみたのだがどうしたものか・・・。ともあれ、いろんなタイプが赦されてカトリック。久しぶりに二時間ほどの歓談を楽しんだ。
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