金口に倣いたい
祈りとは神への憧れ、言葉に表せない愛、人間の側から生ずるものではなく、神の恵みのはたらきによるものです。(中略 )
主がこのような祈りを恵みとして与えて下さるのであれば、それは奪われることのない富であり、魂を満ち足りたものにする天の糧です。それを味わった者は、…永遠に続く神への憧れを掻き立てられます。主にこのような祈りを実践しながら、優しさと謙遜な心であなたの家を彩りなさい。義の光でそれを照らしなさい。正真正銘の大理石で飾り立てるように、良い行いであなたの家を飾り、壁面やモザイクに代えて信仰と寛容で美しく装いなさい。すべてにまして家の建築が完成するために、天井のように祈りを据えなさい(今日の教会の祈り第二朗読より)。
クリゾストモとは金の口。金口(きんこう)聖ヨハネとも呼ばれるだけあって、雄弁家として知られる4世紀の人。聞く人々をうっとりさせたに違いない。39歳のとき司教に任命され、無慈悲な皇女により二度にわたる追放の末、407年に亡くなった。
いずれにしても、単に雄弁家というだけでなく、深い祈りの人だったと思われるが、ふと思った。雄弁家に求められるのは、例えば、「優しさと謙遜な心であなたの家を彩りなさい」というような豊かな想像力ではないのか。「行いの伴わない信仰は死んだものです。それは、そんな信仰はゼロという意味です」などと脅迫めいた説教はしても、「良い行いであなたの家を飾り、壁面やモザイクに代えて信仰と寛容で美しく装いなさい。」とても真似のできることではない。せいぜい、「信仰生活を深め、その実りをあげるようにしましょう」どまりか。
ともあれ、まずは我が身を整えることに励むとしよう。
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