灰色になった!

戦後60年、50年のメッセージも掲載。天文館に洗車!いや、戦車!もちろんキャンペーン用。幸いというか、そんなに人だかりがしているわけではなかったが、若者が興味深そうに観察したり、子供が上がって記念撮影。隣でも海上保安庁の制服を着た子供がユルキャラと記念撮影。自衛官募集の幟も。地方の役場のあたりに同じ幟を見たことはあるがこんなにも堂々の積極的な姿に初めて遭遇しただけに驚いたというか、異様な感じがした。

それというのも、先日届いた戦後70年司教団メッセージの小冊子を読んだ直後だっただけに、暗澹とした気持ちになった。「そうだそうだ」と一人合点しながら、明日は日曜日だからと、残りの小冊子を教会のお持ち帰りコーナーに並べた直後だっただけに、天文館のど真ん中の迷彩色の戦車に「ギョギョッ!」となったわけ。

集団的自衛権の名のもとに海外で戦死するかもしれない若者たちを募集する側もツミな感じがしたが、あの戦車を見た時ぞっとするような強い違和感は何だったのか。募集そのものに対するものではなかったように思う。そうではなくて、こうしたキャンペーンが繰り返されていく中で、いつの間にか戦車が見慣れたものになり、気がついたら日本中の人々が平和は戦車で作られると思い込まされてしまう。そんな巧妙にからめ捕る手を感じたからなのかもしれない。

日本の司教団は今回のメッセージの中で聖ヨハネ・パウロ二世の2005年1月1日平和の日メッセージを引用しながら、「軍備と武力行使によってではなく、非暴力を貫き対話によって平和を築く歩みだけが『悪に対して悪をもって報いるという悪循環から抜け出す唯一の道』」(24頁)だと断言している。そして、「暴力の連鎖から抜け出せない現代にあって、この非暴力の精神と実践を積極的に広め、世界の人々と共有することにおいて新しい連帯を築き、平和のために力を尽くして行きましょう」(24頁)と結んでいる。

格安床屋でさっぱりしたものの今朝見たバラ色の夢が灰色に。

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