「その場に応じた機敏な心の働かせ方」(デジタル大辞泉)こそ学ぶべき福音の原点

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人命救助のカギは機転

荷物の整理のはずが気持ちの整理

荷物の整理のはずが気持ちの整理

「急病人の方がいるので救助に向かいます」とアナウンスして快速列車を止めたワンマンカーの運転士の話が今朝のネットで紹介されていた。たまたま畑で倒れている男性に気が付いた運転士は列車を止めて救助に向かい、80歳の男性は一命を取り留めた。熱中症だったという。誰もいない畑の中、気分が悪くなって倒れこんだもののそばには誰もいない。どれほど心細かったことか。機転のきく運転士でラッキーだった。

それに引き替え…

季節外れも機転の一つ?

季節外れも機転の一つ?

その話を読んで、30数年前の出来事が蘇った。ザビエル教会で助任司祭として働いていた時のことだ。ある日曜日の晩のミサ直前電話のベルが鳴った。いきなり「私死にたいのです」という衝撃的な女性の声に言葉を失った。高校生らしかったが、「そんなことを簡単に口にしてはいけない。直接会って話したいのだが、ココの場所が分かりますか?」と言ったもののミサが気になって内心大パニック。カクカクシカジカ、で「明日にでも来てもらえますか?」彼女は「ハイ」と力なく答えて受話器を置いた。翌日、彼女は顔を見せることはなかった。当たり前だ。

相談電話開設秘話

やっとスッキリなったがボクはまだ

やっとスッキリなったがボクはまだ

今思うだけで胸が痛み、自分のふがいなさに情けなくなる。あれから一週間、毎朝、新聞をめくりそれらしい記事が出ていないかチェックしたものだ。記事を見つけることはできなかったが、新聞に載らないことも多いと聞くにつけますます落ち込んだ。これではいかん、と壮年たちに相談電話の必要性を熱く説いた。「大事なことです」と同意はしても一緒にやろうという人は出なかった。「なら1人でする」と意気込んだものの、「そんな無責任なことをしてはいけない」と主任司祭に諭されて「なるほど」。転勤後、教区主導による相談電話開設案が浮上し、いの一番に飛びついた。ちょっとした「きぼうの電話」開設秘話だ。同じことを前にも書いたカモ。トシだなー。

あれから40、ア、イヤ30年…

あの運転士のように迷いなく透明な心でいたい

あの運転士のように迷いなく透明な心でいたい

ところで、先ほどの運転士は人命救助で感謝状を授与された。当然だ。それにしても、「50人の乗客に迷惑がかかる、ダイヤが乱れてはいけない…」さまざまな思いが交錯しただろうに、判断の的確さに脱帽した。彼は運転歴15年の37歳、当時のボクは司祭歴13年の41歳。「その場に応じた機敏な心の働かせ方」としての「機転」に関しては彼に比べてまだまだ若輩者だったといえる。あれから30年余り、果たして、「ここ!」というときに的確な判断と行動ができるか自信がない。ヒョイと身をかわす機転だけは身に着いたかもしれないが。

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