ナナメの関係
「この理念を実現するため、コアとして大事にするのが “ナナメの関係” です。先生でも親(タテ)でもない、友達(ヨコ)でもない、一歩先をゆく“先輩” (ナナメ)との出会いによって、憧れや行動が生まれる“場”を、カタリバは創り続けてきました」(NPOカタリバ HPより)。「カミガミのない世界」を標榜しているにもかかわらず新聞は読む。と言っても、以前は、事務所のものをじっくり、今は同居の司祭が提供するものを、ある時はナナメ読み、ある時はじっくり。幼稚園では毎週届く教育新聞の幼稚園の頁を、ある時は表題だけ、ある時は何かのトピックをじっくり。
先進国で最悪
ま、そういうことはどうでもいいとして、最近は、朝礼が終わると園長室に上がって、メールチェックの後ネット配信のニュースに目を通す。記事の横には必ず広告が出る。最近は、アジアの子供たちを悲惨な状況から救う活動の案内が毎日のように出る。大聖堂の前などいまだに手を伸べてくるお年寄りや子供に遭遇するアジアの国は珍しくない。胸が痛むので素通りできない。記事の横で紹介されている少年はそんな人々をほうふつとさせた。クリックすると、援助対象の子供たちの写真が次々と出てきた。どの子もちゃんとした身なりで違和感を覚えた。人に見てもらうので、その時だけでも別の服を着せてもらったのかもしれない、とは思ったが、どこかの国で見た「ひも付きホームレス親子」が思い出されて、心が固まってしまった。釈然としないまま、頁を閉じようと戻った時目に入ったのが「子供の7人に一人が貧困状態。先進国で最悪」に始まる日本発の案内。
毎月千円から上限なし
「子供の6人に1人は貧困状態」という数年前の記事にはショックを受けたが、それが今では7人に!よその国も大変だが、まずは日本が問題だ!「愛は近くから遠くへ」の原則に従って早速会員になった。昨日は、「とそ子ども食堂」のことを書いたが、今日はカタリバ。子ども食堂が生まれる背景と同じ。もっとも、こちらは学ぶ機会を提供することが主な目的という点では違いがあるとしても、質的には同じ。国が悪い政治が問題、と言わずに自ら立ち上がった若者の志の確かさに敬服した。2001年から始まっているという活動を支える会員は全国で3万人を超すという。若い人が若い人のためにというのがいい。
遊ぼう!
「子供たちが園長先生を探しています。」下から声がかかった。「外遊びの時間には顔を出すのに今日は姿が見えない」ので窓口にやってきたらしかった。「そうか、ボクの存在感が増してきたらしい。遊んであげるか。」外に出るや、男の子が乱暴にぶつかってきた。「お、タイキくんはお相撲がしたいのか。よし!」と四つに組もうとしたひょいと離れた。やっぱりそうか。あいさつ代わりだったらしい。「ね、ね、えんちょうせんせいテツボウしよう」と手を引いたりするかわいい招待の仕方は男の子にはない。「見て、見て」とでんぐり帰る子に賛辞を送っているとアイドルのK君が突然目の前に現れてしゃがみこんだ。どうやら、「ボクもしたい」ということらしかった。促すと一人でひょいとぶら下がった。「え、すごい!できた!」この賛辞を聞きつけた女子の一団が押し寄せて「みて、みて!」の大合唱。気おくれしたのか、いつの間にかK君はいなくなっていた。それにしても、男の子たちは不器用というか、照れ屋というか、ドンとぶつかったり、無言で座り込んで目つきで意思を伝えたり、スッといかないところがいかにも男子らしい。なんだか将来のダンナの姿を見るようで楽しくなる。
あ、じいさんがとんだ!
「園長先生何歳?」ませた女子が聞いたので、「そうだなー99歳!」「ふーん。」まだ数の概念がつかめていないらしく、どれくらいかはよく分からないが、爺さんには違いないようだ。そんな顔がおかしかった。「園長先生に貸してごらん。」子供の縄跳びを借りて飛んで見せた。「あ、じいさんがとんだ!」。驚きの大きさは声の調子で分かった。子供たちには、99歳の実態を確認できたに違いなかった。「99歳て若いんだ」と思った?それにしても5回も飛んだら足に来た。年寄りの冷や水?
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