圧巻はヤマガラとの遭遇。すばしこいので撮ることはかなわなかったが、あのカラフルな小鳥が気ままに飛び交うモミジに彩られた森に文字通り色を添えてくれていた。冬間近の山郷が様々な色の小鳥たちのさえずりに満ちた楽園に思われてきた。なによりも、メジロが無心に早咲きのヤブツバキの蜜を吸っているのが印象的だった。
シジュウガラもやってきたが、身を潜めるように葉隠れの術でメジロほどに大胆ではない。したがってクリアなショットはかなわなかった。そんな、小鳥たちを睥睨するかのように一回り大きくて、いかにも肉食鳥らしい険しい顔つきの獰猛そうなのがやってきた。しかし、小鳥たちはパニックにもならないで蜜を吸い続けたり、虫を追いかけたりと平常心の様子。モズの仲間らしかったが特定できなかった。
秋の終わりに
野鳥たちも魅力的であくことのない探鳥会となったが、それにも劣らずにわが目を引いたのは紅葉の美しさだ。霧島神宮の参道は駐車の車の長い列ができるほどに人目を引いていた。参道でなくてもひっそりと単独で我が世の秋?をおう歌しているモミジもあって眼福のひと時だった。しかし、それは秋の終わりを告げるもので、同時にこの一年の最終章冬の始まりを告げるもの。それだけに、紅葉の美しさが一層いとおしく思われた。
鹿ものんびりと
帰りしな、50mほど向こうに黒々とした大きなシカがゆっくり歩いていた。こちらの気が付いても逃げようともしないで、むしろ立ち止まってじっとこちらの動向をうかがっている。大きい割には角がないのでメスらしかった。ほかに仲間がいるようでもなく、僕みたいに一人、紅葉を楽しみに来たのかもしれない。いや、のんびりと歩く姿は、間もなくやってくる冬に備えて思案してようでもあった。間もなく森の中に姿を消した。野鳥にモミジに鹿、霧島の自然を満喫した三日間だった。
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