いいともいいとも
電子書籍で読書第一号となったのはトルストイの短編で菊池寛訳のイワンの馬鹿。
特別理由があって選んだわけではなく、昔から聞いていたこともあり、読んだことはなかったが「イワンの馬鹿」というストレートなタイトルが印象に残っていたからだ。昭和3年、つまり1928年発行。83年前のものということになる。
それにしても、電子書籍がどんな風にしてできあがるのか気になっていたのだが、やはり入力する人たちがいたのだ。本書は京都大学電子テクスト研究会入力班の作品。2004年5月18日作成とあった。ちょうど7年前だ。1頁ごとにコピーするのかと思っていたがデジタル世界の根底にはやはり人力による苦労があったのだと分かって、なぜかホッとした。人知れず日夜コツコツと努力を重ねた汗と涙の結晶。「これは面白い!」とはしゃいでばかりいたのだが、思わず襟をたださずにはおれなかった。
それはそうと、イワンは男三人の末っ子。今日では引用するのもはばかられるが、自他共に認める「馬鹿」。何があっても「いいとも、いいとも。」
三人が、余りにも仲良く暮らしているので悪魔が怒って三人を仲たがいさせるための策を次々と繰り出すがいずれも失敗。そうこうしているうちにイワンはわけあって王様になったものの、お姫さまともどももとの貧しい百姓に。隣の国から攻め込まれても、人民は略奪を赦すだけでなく一緒に住もうよ、と呼びかける有様で敵の兵士たちは戦意喪失。結局、あらゆる権威も富も彼の国を滅ぼすことは出来なかったばかりかイワンを軽んじてばかりいた兄さんたちの面倒も見ることに。
圧巻は、ある時、手よりも頭で働くことを教えるという先生に化けてやってきた悪魔の親分が結局誰からも理解されないまま何日も飲まず食わずの演説の結果、ふらふらになり頭を柱にぶつける羽目に。それを見た人民の一人が「頭で仕事をやりはじめた!」最終的には悪魔は頭から地面に落ちて自滅。笑うに笑えない悪魔の末路だがトルストイの世界を垣間見た至福の1時間だった。
読書のあと与次郎浜のSPORTS DEPOまで散歩。
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人によってそれぞれの使い勝手があるかと思いますが、やっぱり魅力はアプリケーションだと思います。どんなアプリケーションと出会うことができるのか、私自身もワクワクドキドキ。
教会的に素敵なアプリケーションがありましたら、ぜひご紹介ください。
聖書や教会の教えに関するもの、また秘跡についてなど・・・信頼できる方の使用感や推薦だと安心できますから・・・・よろしくお願いします。
飛行機を待ちながらでもブログが書けるということばかりを期待していたのですが、達人から先ずはアプリケーションを楽しんではとのアドバイスにやっとその気になりました。なるほど、居ながらにしてあらゆる情報が瞬時に取り出せるのは愉快です。聖書は新共同訳を3000円で購入しました。日本語での教会関係のものはまだまだ限定的のようですね。今日は漱石の「彼岸過ぎまで」を少し読みました。お互いiPadライフを楽しみましょうね。