そういう人がいるんです…
「谷山にはどこで出ますか?」「谷山は行きませんよ。加世田に直行です。何回も言いましたがね。」料金所で支払いに手間取っている運転手に思いがけない質問。「…アタシャ、どうすればいいんですか?」「加世田まで行くしか ありませんね。」「…」
新幹線スーパーリレー特急バス。一部有料道路も使用してノンストップ。しかも、料金は普通の路線バスと同じ1000円。鹿児島~加世田を1時間で結ぶとあって人気の路線らしい。毎日、午前と午後の一本づつの2本だけだが、普通の路線バスとは違って、空港バスしたての立派なもの。
この日も大勢の乗客で運転手さんも気合が入っていただろうに、水をさされた感じになったよう。取り返しのつかない事態に直面させられて小パニック。自分の落ち度ではないことを強調したい気持ちがよく分かった。後で聞いたことだが、そういう人がよくいるらしい。そういえば、運転手が、何人かの人に「どこまで行かれますか?」と聞いていたことを思い出した。
それにしても、あのおばあちゃん、不運にも、この質問の対象にならなかったらしい。いつも乗るバスが加世田・枕崎行きだったため、早合点したものと思われる。普段なら30分かそこらの道のり。思いがけない長旅をするはめになって、さぞ慨嘆されたことだろう。
しかし、人ごとではない。初めての加世田教会訪問のときのことを思い出したからだ。「お客さん終点ですよ。」「えっ、ボクは加世田に行くんですが。」「「加世田!」運転手が思わず叫んだものだ。結局終点の知覧特攻基地から、街のバス停まで下って、加世田行きのバスを待つことに。久しく行ったことのない南薩地方の地理があやふやになっていたことは確かだ。
そんなこんなで、昨夜の歓迎懇親会は大いに盛り上がった。ま、それにしても、トシのせい、と言われないように気をつけなくちゃ。
バザーのため1時間早い今朝8:00のミサには、4人のフィリピン人たちも。思いがけなくも、二人のフィリピン人司祭を迎えた加世田・枕崎の共同体は、多くのフィリピン人が加わることになったそうで、とくに、長い間、司祭不在が続いた枕崎教会は早くも、教会再生の兆しだとか。次回の訪問が楽しみだ。帰りは準急の路線バス。
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