それでも・・・
「アノ…敬老パスの手続きに来たのですが…」「そちらにお名前をお書きください。」気が抜けるほどあっさりした返事だ。それはそうだ。
ボクがどんな思いで「敬老パス」を口にしたか、20代の彼女には知る由もないことなのだから。どんな思い?もう逃げも隠れもしない、というか、「まだ69歳です」と少し頑張っていたのはつい数日前まで。70歳がボクの歳という実感はないものの、もう立派な老人。敬老パスはその証。少し哀しい証だが、よく利用するバスや電車が三分の一、温泉は100円と聞けば、機嫌が直るのだからタンジュンだ。
ぼくより先に呼ばれた隣の男性も同じ説明を受けていたから、70歳になったらしいが、ちらっと見た横顔にはしわが刻まれ、いかにも年輪を重ねた苦労の証がくっきり。こういう人こそもらう価値がある。そう思った時、ドサクサに紛れて手を出したらうまくありついた時のような後ろめたさが。不正をしたわけでもないのに、なんだか落ち着かない気持ちで外に出た。
帰り道、あのからし種の木が1mほどに伸びていた。ついこの間、しばらく見ないうちに背が伸びていかにも少年らしくなった弟の孫に再会した時のような驚きだ。しかも、あの条件の悪い歩道の片隅でスクスクと伸びているたくましさは、まさに、それでも、をじで行く姿ではないか!誰も損なったりしないところをみると、無関心なのか、それとも興味深く見守っているのか。いずれにしても、間もなく黄色い花を咲かせるはずだ。ワクワク感が高まってきた。
祖母・傾山系の地図を買う。
神学生を交えた久しぶりの6名での夕食は終始話題の絶えない賑やかなものだった。
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