ちぎり絵贈呈
ちぎり絵。本物を見た人は少ないと思うが、和紙を精巧に張り合わせて仕上げる日本独特の和紙芸術。戦後に始まり60年ほどの歴史しかないという。
その本物のちぎり絵二点を、今朝、贈呈してもらった。作者は、退官後75歳になって始めたという元純心短大教授のシスター。それも独学で研鑽をつみ、何度も大きな賞を受け、毎回のように、東京の国立美術館に展示されるという実力者。まさに、遅咲きの大輪。以前から小さなスケッチをたしなんでおられたが、「いつかちぎり絵で芸術作品を」というのが夢だったという。
今回、贈呈されたのは、学生の引率で訪問したバチカンの庭園とドーム、それにアイルランドの古城。「え、これ、チギリ絵!?」誰もが驚く精巧な出来栄えはまさに匠の業。
写真に収めたものを精巧にスケッチし、その上から鉄筆でなぞって下絵を描く。絵具は全く使わず、百種類もの和紙を巧みに張り合わせて、凹凸や陰影に富んだ作品に仕上げる工程を、嬉々として話される姿は、ありのままで正直で好感が持てた。
「もう止めるつもりです。」何年前だったか、入賞した作品のはがきをいただいた時に、「もったいない。止めないでください」と言ったのがきっかけで、「そのあとの作品がこれで、81歳の時のものです。これは82歳のもの…。」目を輝かせながら、邪気のない幼子のような喜びを体中にみなぎらせてホウコクされる姿に老いは感じなかった。
部屋には、シスターから頂いたはがきサイズの作品が8点飾ってあるが、今朝の本物は、できるだけ多くの人に見てもらうためにザビエルのホールに展示したい。「お弟子さんを取って、伝承しなければ」という勧めには、修道女だけあってまったく乗ってはくださらなかった。
事務所で作品を愛でながらワインで例会。さて、行くとするか。
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