タイを釣ったハズが…
朝礼が終わると事務所の一角にあるソファーに身を沈め、地元紙に目を通す。まもなく、秘書嬢が「どうぞ」と煎れたてのコーヒーを置く。それをすすりながらの小一時間は至福の時。
いつの頃からか「どうぞ」を期待するようになった。そして、一度も裏切られたことはない。しかし、今日は土曜日。事務所は半ドンで朝礼もなく、当番に当たった人だけが出勤するため事務所に下りることはない。明日からまた一週間の出張。今日までゆっくりできる。気が緩んだトタン、自前でのコーヒー付新聞タイムを思い立った。
先ず、道向かいのコンビニで全国紙を買い求め、濃い目のコーヒーをマグカップになみなみと。応接室で来客用のイスを二つ向かい合わせにして足を投げ出し、まずは地元紙から。分厚い広告の束を一枚一枚めくると、“iPhone5、0円!iPadmini、ただ今注文で…”。一瞬心が動いたが、「待て待て、達人とも相談してからだ。」
まだまだ尽きないチラシの山に分け入って、“半額”の文字に目が留まった。この時期冬物が半額とは!「そうだな…教皇謁見に盛装してダウンでは様にならない。コートを買うべきか…」悩んでいたからだ。「よし!」なんだか気合が入った。新聞もそこそこに早速、チラシをポケットに近くの量販店に。
「半額のコートが欲しいんですが…。」チラシを見せると、「いらっしゃいませ!こちらです。…なんでしたらもっとお安いのもございますが…。」「安い方がいい!」「3点のみでございますが、こちらですと2980円となっています。サイズは?」「2980円!?」サイズには答えず、思わず叫んでしまった。値札を手にすると確かに29,800円に×印が付いていた。チラシの半額どころか、10分の1ではないか!
「これください!」「ハイ、かしこまりました。サイズは?」「M、M、Mです!」三度も繰り返した。「三着ともちょうどMばかりです。」店員さんもなんだか嬉しそう。「で、色は?クロかグレー…」「グレーがいい。グレー!これ、これ!」これまで体験したことのない破格の値段に力が入った。気分はもうHappiest!抑えがたい喜びに浸っていると、
「他にご入用なものは?」「あ、いや、別に…」レジに行きかけた店員さんの問いに反射的に答えたものの「…あ、ヒート何とかのインナー…」待ってましたとばかりに「こちらにございます。」結局、手袋にセーターにズボンまでも!予定よりはるかに出費オーバー。あっちが1枚上手だった!
つれづれなるままに、土曜の昼さがり、お粗末の一席。ドーモ、ドーモ。
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