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レンタカーミッション

作成者 admin投稿日 2011年12月24日 23時50分 最終変更日時 2011年12月25日 16時08分
紺碧の北大島

屋仁教会

平教会

23日3:30、古仁屋教会でのクリスマスミサの前日。帰省のたびに我が物顔に使っていた兄夫婦が二台の車を一台にしたものだからレンタカーに。

車を手放して6年。久しぶりにマイカーを手にしたようで心が弾んだ。折角だからと北大島の教会めぐりを思い立った。恥ずかしながら北の教会の地理が定かでない。グーグルアースで打ち出した地図を助手席において、

先ずは佐仁(さに)教会。30数年前に訪ねて以来だ。集落の中に入ったものの皆目見当がつかない。角の店で聞くことに。「昔の教会跡を見たいが」と島口で聞いたものだから店のオバサンの尋問が始まった。出身地から親戚関係、身分が判明して納得するまで数分。ポケットからローマンからを取り出して所定の位置へ。すっかり心を赦したところで、尋問の非を詫びて会話が弾んだ。ムカシからの信者で高齢化に伴い聖堂でのミサはなく我が家でのミサがあること、マモルは平(たいら)教会の除幕式に行っていることなど、次々と情報開示。「ところで、マモルさんは息子さん?」「アイ!うちの人、ワーダンナ!」楽しいやり取りだった。

「ニーガイモランガィチャ」(見に行かないほうがいい)と言われた教会は、想像以上の大きな建物で驚いた。十字架が左に傾き、朽ち果てていく姿が痛ましかった。周囲は荒れ放題で草や木が茂り、入り口の引き戸もうちと外からのかすがいで開閉不能。中を見ることはできなかった。無原罪の聖母に捧げられた教会。めでたしを捧げた。

隣の屋仁(やに)教会はすっと戸があいたのは意外だったが、中の様子に思わず立ちすくんだ。枯れ葉が散乱し、告白室だったらしい小部屋の戸は半壊、祭壇を除いて祈りの家の面影はない。各集落に精力的に宣教して聖堂を立てたのはつい数十年前のことなのに、一代かぎりで消えた信仰のともし火に涙が出る思いだった。ゲートボール場となった広い庭は手入れが行き届き、片隅に立つ聖堂は駆逐された敗残兵の趣すらあって悲しさ倍加。お告げの聖母にめでたしを何度も捧げた。

赤木名教会の聖体ランプの赤い明かりにはやっとホッ。聖歌集や色々の印刷物は定期的にミサが捧げられている証し。小さき花の聖テレジアに祈る。峠を一つ越えたところの手花部(てけぶ)教会でもミサはない。信者が絶えたからだ。セメント作りのかわいいお御堂は国道脇に立つだけに人目につく。やはり中には入れなかった。喜瀬(きせ)教会は店のオバサンの提案を受け入れてパス。マモルが行っているという平教会に直行。

「天使の元后平教会の歩み」碑の除幕式を終え、宴会が始まったところに闖入。予期しない珍客に「アヴェ、アヴェ」の連発。主任司祭も目を白黒。「足は生えていますよね。」それもそのはず、前の日曜日に50周年の祝いを共にしたばかりなのだから。ともあれ、「カクカクシカジカ・・」事情を解したマモルとも固い握手の初顔合わせ。来年のクリスマスミサの予約も受けることに。信徒会長さんの話で、佐仁、屋仁教会の件では、なんとかしたい、とみんなが心を痛めていることが分かった。「平教会もいずれそうなる。そのために、こうしてしるしを残すことにした」と胸のうちを語る会長さんの目から涙が。

ミッション初日は重たい課題に直面。教区としても考えないといけない。兄宅で若者たちと歓談。奄美からの発信に期待したい。

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