匿名の弟子たち
「先を争うようにして、たがいに従い合いなさい。」今朝の読書課で目に留まったベネディクト修道院長の言葉だ。
修道会則の一節なので弟子たちの養成のためであることはすぐにわかる。まったく脈絡はないのだが、毎朝のお楽しみは、朝礼後に事務所の一角にあるソファーにもたれて朝刊に目を通すこと。
今朝の投書欄の若い目。投稿者がすぐ近くの専門学校に通う学生さんで、登下校時に出くわすことが多いだけに、興味を覚えた。タイトルは忘れたが、話題は帰りの電車でのこと。後ろの席で大きな声でおしゃべりをしている高校生の一人が、後から乗ってきたお年寄りに「どうぞ」と声をかけたので「しまった」と思ったのだという。すっかり席が埋まっていたので、本人も、席を譲ろうと思っていたのだが、先を越されたからだという。さっと行動に移せなかったことを後悔しているようだった。
なんと麗しいことかと感動したのだが、ふと「先を争うように…」というあのベネディクト修道院長の言葉が蘇った。修道院という志を同じくする人々の集まりならまだしも、おそらく神様などに興味があろうはずもない若者たちが、「先を争うようにして」善をなそうとする事実に衝撃を覚えた。
場所柄もわきまえずに声高にしゃべる傍若無人の高校生たちと何度かすれ違ったかもしれない「短すぎる!」制服の若い女子学生が、ベネディクト院長の弟子に思えてきたから不思議だ。誰かそんな若者たちの無垢の心をそっと包んで大事に育ててくれる人はいないものか。いやいや、匿名の弟子たちと彼らのそんな心を育んだ家族に栄光あれ!
ちなみに聖ベネディクト(480-547)は厳しい戒律で知られるベネディクト会の創立者。弟子たちに、祈りかつ働け、の標語のもとに8時間の祈り、8時間の睡眠、8時間の労働、愛の業を課した。50名の教皇、7,000人の司教、そして40,000人の聖人輩出しているという。ホントー!?
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