先輩司祭の司祭叙階６０周年。「私はこうしてダイアモンドを手にしました。」思わず、拍手が沸いたが、「自分の力ではない、もちろん神さまの恵みによるものだが、皆さんの支えがあってここまで来た」という意味のことを言われたと思う。

最初の赴任地の最初の主任司祭であり、思い出に残ることは多い。司祭として歩み始めたばかりのころを思い出すと、赤面することは多く、それだけに、忍耐強く見守ってもらったという思いは深い。４０代の半ばだったろうか。あの落ち着きと慎重さ。同じ４０代の頃の自分と比較すると、これまた赤面だ。ボクの４０代は、正義感気取りで騒ぎ立ててばかりいた印象しかない。これをやり遂げた、と誇れるものは何もない。

教区草創期の司祭たちが苦労して積み上げてきたものを踏襲しただけで、それだけに、苦労知らずで、その分、わがままになっていたのかもしれない。少し大げさだが、やりたい放題、言いたい放題、よく言えば、自由奔放、好きなようにやらせてもらった。そういう意味では幸せだったと言える。しかし、「周りは、やはり大変だったにちがいない」と今は思う。

園児の送迎のため「大型バスの免許を取ってほしい」という主任司祭に「ボクはバスの運転手になるために司祭になったのではない」からと断ったのは、二人目の主任司祭に仕えた時だ。「郡山君は司祭会議で発言するのは５年早い」と先輩司祭からイェローカードを出されたのもその頃だったか。

そんなことしか思い出せない自分としては、「教会建設で信者たちはホントにくろうしました」と労をねぎらうことができる思い出を持っている司祭をうらやましく思う。

足元がいくぶんおぼつかなくなっていることが気になっていたので、ミサ後の祝賀式での立ったままでの挨拶は「座るわけにもいかず…」、やはり少し大変だったようだ。「みんながあんまりほめすぎるもんだから…。」照れるところは昔と変わらない。

これからも一緒に歩んでほしいと思う。