祝福は海を越えて
「700名分の食事を用意しました。」息子の結婚式にいろいろと腐心するのは韓国の親も同じらしい。
フィリポさんは、鹿児島教区の三人の韓国人神学生の世話係であり、後援会立ち上げに奔走された教区の恩人だ。そんな彼から息子さんの結婚式の依頼を受けたときは、さすがに戸惑った。喜んで、と言いたいところだが、まさか日本語でするわけにもいくまい。新郎新婦は英語が堪能だから、英語でもいいと言っても韓国で英語というのは不自然。結局、主任司祭がミサを司式して、結婚式は韓国語でボクがすることに落ち着いた。
3週間ほど前、ハングルにカタカナ付きの式分が添付で送られてきた。多少ハングル表記と発音には心得があるとはいっても、外国語には変わりない。前の日、フィリポさんの特訓を受けて何とか韓国語らしくなった。
いよいよ本番となった15日(土)12:30。香部屋で着替えていると、同行した四條助祭の存在が珍しいらしかった。韓国に終身助祭はいない。だから、助祭の正式祭儀服ダルマチカを着用した助祭をみるのも初めて。説教は、先月鹿児島に来られたシスターの通訳付き。いつもの箇所、ルカ19章のザアカイさんの回心から、イエス様の立ち止まる愛にならう。フィリポさんは、何回読んでも、結婚式と繋がらなかったという。在韓の日本人のためにミサをしているという若い司祭も「あんな説明は初めてでとても新鮮でした」と喜んでくれた。今年の初めだったか、自宅に招いてくれた韓国でもっとも著名な弁護士さんも「感動しました。」ボクの話が韓国でも通じたようで嬉しかった。
それはそうと、説教の後、ミサの間、黙って立ち尽くしていたボクが二人の前に案内されてハングルでの式文を読み始めたものだから、皆さん驚いたらしい。誓いのことばをさっさと2人でやってしまうというハプニングもあったが、大過なくなし終えて席に戻ると、「とても上手な発音でした」と隣の司祭が褒めてくれた。
そうそう、あの700名分の食事、昨日の朝、空港に向かうフィリポさんの車の中で聞いてみた。出欠の返事は求めず、知らせを聞いて、来たい人が来るのだという。ミサから来る人いれば、食事だけの人もいる。ご祝儀は5万ウォンだったり3万ウォンだったりで、いわゆる披露宴もなさそう。適当に食べて適当に帰るようで、ミサを終わって階下に降りたらホールではもう食事が始まっていた。引き出物もないようだった。フィリポさんの出費もさぞ大変だろうと心配したのだがなんとなく安心した。
ちなみにボクと助祭やシスターは、日本駐在の経験を持つ元支店長や社長クラスの人たちと共に、こぎれいなレストランに案内された。シャブシャブだったが野菜たっぷりが嬉しかった。日本語での会食も楽しかった。韓国が一段と身近になった。
室内ランは7キロ。
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Re:祝福は海を越えて
仁川(インチョン)空港に降りてから、見る物、聞く物、出会う人々が全て、外国とは思えない深い親しみを感じました。
特に韓国語の響きが、奄美の方言に似ており、子どもの頃に出会ったお年寄りの顔が浮かびました。また出会う方々が韓国語は勿論、日本語、英語を自由に使い、日本よりも国際的な感じを受けました。
日本の二分の一弱の人口で、日本の十倍のカトリック信徒がいることにも大きな驚きでした。これからも交流を深め、多くの事を学びたいです。
Re:祝福は海を越えて
Re:祝福は海を越えて