聖人への道
解放の神学と言えば、中南米生まれで、不正に対しては暴力も辞さないという過激な神学、ということでバチカンからは支持されがたい。そんな神学の擁護者で、
貧しい者の代弁者、人権擁護者として活躍したエルサルバドルのロメロ神父。1980年、ミサ中、死の部隊と称する右翼の手によって射殺された。いわゆるエルサレルバドル内戦の始まり。その直後から、殉教者として称えられ、1997年列福運動の手続きは開始されたものの、進展を見ないまま今日に至って いた。
それというのも、ロメロを聖人に、と訴える人たちがバチカン広場に赤旗を押し立てたりしたこともあって、ロメロ神父への信心が解放の神学にあまりにも近すぎるという判断によるものだったらしい。当時の教皇はヨハネ・パウロ二世で側近が後のベネディクト16世となるラッチンガー枢機卿。しかし、ベネディクト16世の突然の辞任によって生まれたのが現教皇で、南半球初の教皇。そういうこともあって、ついこの間の4月21日、担当大司教が教皇に呼ばれ、ロメロ師の列福を急ぐようにとの指示を受けた旨発表がなされた。
殉教者である、と教会が認定したら通常 の手続きはパスして早めの福者が実現し、しかも、通常は二つの奇跡を必要とするが、その場合は一つの奇跡でも聖人に叙せられることになるという。
ちなみ に、2005年、フランス人シスターが故ヨハネ・パウロ二世に執り成しの祈りをした後でパーキンソン病が癒され、それが2011年の福者実現の引き金になった。そして、今週、バチカンの審査委員会が一人の婦人の奇跡的治癒を公表したとイタリアのカトリック雑誌が報じた。そして、ヨハネ・パウロ二世の教皇指名35年目となる今年の10月上旬に聖人に上げられるだろうとも報じているという。
いずれにしても、解放の神学の擁護者がそれを抑え込もうとする教皇側の手で聖人 に上げられるということになると、これは前例のない歴史的なことと言える。もっとも、現教皇自身異例ずくめであるだけにそれほど驚くことではないのかもし れないが…。(4/28配信のUCANewsより)。
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