人権に厳しいアメリカやヨーロッパの国々で非人間的とも思える「幸福教」が普及

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感情労働

記事に添えられた模範社員「いらっしゃいませ。ハイ、お客様のお席はこちらでございます。どーぞ。」搭乗券を見せるやそういって先導されたら面食らってしまうだろう。駅や空港での案内でさえうるさがるボクにとっては。思わずムッとするところだ。ところが、これは近頃アメリカの企業で流行っている「感情労働」の模範的な姿だという。一言でいえば、「明るい接客業」ということだが、冒頭の例は、実際の案内を控えめに再現したつもり。

最高に幸せ!

しかしアメリカのある航空会社の客室乗務員は今にも歌って踊り出さんばかりのハイテンションでの接客がウリなのだという。そんな飛行機に乗り合わせた乗客は「ラッキー!」と思うだろうか。ボクなら静かに本も読めなくて落ち着かず「ムッ!」が倍増すること間違いない。やはりアメリカのある靴屋の従業員は、これ以上の幸せはないかのような明るさを求められるという。気分の悪い時はどうなるのだろうと他人事ながら心配になる。もちろん、不機嫌な時も平静を装おうとするのは普通の人間関係でも起こりうることだが、そんな時でも、“最高の幸せ“を演出しなければならないとしたら、これは非人間的だ。

幸福教

しかし、こうした”幸福感”をもって商売に当たることが生産性増につながるということらしい。「幸福教」と揶揄されても仕方ないと思うのだが。しかし、この「感情労働」はアメリカだけでなくて、アラブ首長国連邦では最近「幸福省」を設立したという。ふと同国代表のMEカップルの姿が思い起こされた。そういえば、あの二人、とくに旦那は、ギターを抱えてマイク不用のハイテンションで聖歌をリードする。奥さんは、そんな彼の側で体をゆすり、両手をたたいたりして盛り上げる。すると、みんなものって歌ったり踊ったりが始まる。ボクにはつらい時だがみんなはどこか期待しているところがある。そのうち「幸福省担当官」の名刺をもらうかもしれない。

プレミアムフライデー

ずいぶん前に聞いたことだが、ブータンの人々の幸福度感は世界でもトップクラスだとか。まさか、アメリカから「感情労働」を教わったからではあるまいが。ともあれ、普通に誠実に対応してもらったほうが日本人は喜ぶに違いない。作為的な「感情労働」が日本で成功するとは思われない。政府は「プレミアムフライデー」とか称して毎月最後の金曜日は3時退社を呼びかけるのだという。しかし、中小企業に勤める人々は「できるわけがない」と取り合わない。そんな日本で「感情労働」を呼びかけたら、と思うだけで「ムリムリ!」かも。多忙な皆さんには申し訳ないが、年末の雨の日徒然なるままに。

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