第24回日韓司教交流会オプションツアー2日目は南北分断の象徴都羅山駅訪問

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乗客ゼロでも

左は夜景で北は真っ暗

左は夜景で北は真っ暗

明けての13日は、午前中、南北分断の象徴ともいえる都羅山(トラサン)駅訪問。駅の訪問?それにはわけがある。カトリック信者だった韓国大統領金大中の太陽政策は南北融和を目指したもので、その一環として開発された開場(ケソン)工業団地に通じる鉄道の韓国側にある駅。国境となっているため、団地に働きに行く人々はここで入国審査を受ける。しかし、2016年に北のミサイル発射実験により、団地は閉鎖され現在にいたっている。かつては、北の従業員が5万人以上も働いていたという。しかし、各自に支払われた給料の明細は不明。個人ではなく北の政府に収められていたからだ。南からの労働者数千人が使用することもなくなった鉄道は、それでも日に一度だけの運航がなされ数十人が使用するという。観光客であふれかえっていたのが印象的だった。

分断による連帯

ベルリンの壁

ベルリンの壁

駅長さんによる駅構内の案内は入国審査など外国への往来に関する通常のことばかりで特別のものはなかったが、同国民の分断の痛みは十分伝わった。ホームの奥にはドイツから贈られたベルリンの壁の一部や郵便列車一両が展示されていて、分断の悲劇を体験した人々が海の向こうから統一を願う熱い連帯の祈りが伝わってくるようで感動した。帰りしな、民族統一和解教会に立ちより、3時半頃黙想の家に帰着し、オプションツアー終了。

帰納的司牧

民族和解教会正面。主の手には平和の文字

民族和解教会正面。主の手には平和の文字

息つく間もなく、4時から、全員が揃ったところで交流会本会議開始。早速、ウイジョンブ教区の若者司牧に関する二年間にわたる研究の成果が報告された。興味深かったのは二点。①切符売り場には数人が働いていて、買いに来る人はその何十倍いるというのに、「切符買う場」と言わずに「…売り場」と言う。また、教える人は一人で学ぶ人は大勢なのに、学習室ではなく教室(教える部屋)なのか。韓国の著名な哲学者の指摘を紹介して、教会も「教育」より「学び」の視点に立つ必要があるのではないかという主張に共感した。聖書や公教要理を教えることが教会の重要な課題ではなく、それも大事にしながら、若者たちの現実から教会の教えに導く、いわゆる帰納的な司牧が必要という発想は若いころから感じていたので共感すること大なるものがあった。

家うさぎと山うさぎ

メタセコイアの紅葉が美しい

メタセコイアの紅葉が美しい

「教会に来ている青少年は「家うさぎ」、ミサに来なくなった若者は「山うさぎ」と呼ぶ比喩の仕方が面白かった。研究の成果が具体的になるのはこれからだそうで、どこも若者の信仰教育には苦労しているようだった。ある小教区には1000名の若者がいるが主日のミサに来るのは40人だけという報告に驚いた。韓国教会も日本と同じ深刻な問題に直面しているとはいえ、青年信者の数が多いだけに悩みは日本の比ではないようだった。宿泊と本館は別棟になっていて急な坂を5,6分ほども上り下りしなければならない。若者にはいいかもしれないが、高齢者には車での送迎が必要となる。それに雪や凍った日などは歩くのはもちろん車も難しい。どうして一体型にしなかったのかと思う。

 

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