こんなのあったらいいなあ、というユメを実現させた人々がいた

2・6・2の法則

「2割の人が動けば6割の人はついてくる。2割の人は何があっても動かない。動かなくていい」(6頁)。地域エコノミストの肩書を持つ専門家の言葉には妙に説得力があった。ところで、SDG持続可能なsustainable開発development目標goal。新聞とかで目にするようになった今どきの言葉。そうした目標を達成している地域が日本にはすでに六か所もあって、自ら足を運んでくまなく取材したのはテレビ朝日「スーパーJチャンネル土曜」のキャスター。それをまとめたのが“「再エネ大国日本」への挑戦“でSDGがどんなことなのか具体的に良く分かる。動かなくても良いはずの2割の人も動いた全員参加が成功した胸のすくような実話集。先月1日発行のまさに旬の本だ。ぜひ読んでほしいと思う。少しだけ紹介したい。

日本はもっと良くなる!

山と渓谷社 1500円+税

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その前に、興味深い記述をいくつか。まず、「日本は資源のない国」というのは化石燃料が主体の時代の話で、アメリカの著名な物理学者によると、「日本は…再生可能エネルギーが主要工業国の中でもっとも豊富な国であり、ドイツの9倍もの再エネ資源を保有している」(22-23頁)のだという。何よりも驚いたのは次の数字だ。地域エコノミストの肩書を持つ専門家の話は興味深い。「そもそも日本人は悲観論が大好きで…それどころか、現にできていることも認めなかったりします。…」失礼だが、身近な司祭たちの顔が浮かんだ。ともあれ、そこで示されたのが日本の国際収支に関する次の数字。2018年の黒字19兆円。ドイツの30兆円に次いで世界第2位。あの中国は何とわずか?6兆円。米国に至っては57兆円の赤字。日本の数字が、19兆円の化石燃料代を中東に支払ったうえでの黒字と聞けばさすがに「ホント―⁉」と声を上げたくならないか。ともあれ、「日本は国際競争に負けた」のではないということになるらしい(以上227頁)。

田舎暮らしがカッコイイ

岡山県にある山奥の村西粟倉村(にしあわくらむら)。人口1500人、面積の93%が森林という村で起こった奇跡。これまでに移住してきた若者は180人を超え人口の一割強をしめるまでになり、現在は140人が暮しているという。そんな村には、移住者らによって立ち上げられたベンチャー企業が34社も。子どもが増えたので保育所も新設された。移住者を受け入れる人に村は「何とか活性化してもらいたい」とは言わない。そうではなく「あなたはこの村で何をしたいか」と逆に聞くのだという。こうして、荒れた山が、今では年間150億円もの収入を生む文字通りの宝の山に。電力も自給なので、稼いだお金が外に出ることはなく、すべて村のために消費されるというまさに持続可能な開発が達成された日本版おとぎの国。見学に行きたいものだ。過疎化を嘆くだけでなく、手元にある資源を見直し生かす工夫をしさえすれば日本はもっともっと輝くに違いない。そのうち、東京の一極集中が見直されて「地方で暮すことがカッコイイ」と言える社会が来るかもしれない。西粟倉村については第3章91-151頁。ともあれ、このコロナ騒ぎをどう乗り越えているのか興味は尽きないのだが。

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