「3月31日の聖香油のミサに来てもらいたい。」
司教総代の出番ではないかと思ったのだが、かつてローマで教会法を修めた司祭でもあり、後輩とはいえ、なんとなく断れない押しの強さを感じたのも確かだった。
年の瀬も押し迫った昨年暮れ、あわただしく帰天した司教の代役を務めてほしいということだったわけで、葬儀にも行けなかったということもあってお墓参りついでに行こうと決めたのだった。それに、引退したとはいえ、司教職執行の需要があることを初めて知った時でもあった。
そして、無事ミッションを終えて、お昼の席に向かおうとしたその時、「6月の堅信式にも来てもらえるんですよね」という思いがけない言葉に面食らった。聞けば、本部の神父様に相談したらボクが来てくれるよ、ということだったそうで、「6月20日ですのでよろしくお願いします。」慌てて予定を見ると、「日曜日じゃない!」「ボクが行きますからいいでしょ!」...「あ、なるほど、いいね!」ヤレヤレ、忙しくなりそう。思いがけない司祭交換で信者たち喜はぶかもしれない。
今回のミッションには、実は、大先輩の司教様のお見舞いというもう一つの目的があった。手押し車が杖代わりという生活ではあったが、いつものニコニコ顔で迎えてくださった。頭脳明晰で声には張りがあり、時間がたつにつれて音量が上がるという疲れ知らず。今日が97歳の誕生日ということだったので、きれいに包装してもらった好物の焼酎を献上したら、相好を崩された。Ad mulutos annos!(いつまでもお元気で)。
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