したくなったのではないかと思う。
そういうボクも当初、ずしりと重たいレターパックを手にしたとき「一体何ごとならん」といぶかったものだ。しかもタイトルを見て「オッ」とのけぞった。しかし、「岡田武夫」の4文字に「えっ、あの大司教さん?」思わず頁をめくった。
人はきわめて良いものとして造られたはずなのにどうして悪があるのか。そんな疑問を解明したいと長年取り組んで来られたことが執筆の動機だと分かって更に興味が募り、ついに600頁ほどもある大作を読了した。
あの大作をこんなちっぽけなブログで解説できるものではないが、感想だけは述べたいと思う。と言っても、人並み外れた読書量と緻密な論理の組み立ては「さすが!」と舌を巻くばかりだ。まさに学術論文とも言える大作ではある。
そうは言っても、身近な問題だけについ読み進んでしまう。「ああでもない、こうでもない」という長い思索の旅が最後に行き着いたのは「こう考えれば『悪』は克服できる」(500頁)というものだった。
そして、結局は「理解できないまま神の計らいに従うー聖母マリアの選択」(503頁)に倣うことに尽きるということになる。その先にあるのが主の死と復活という「新しい天と新しい地」。だから、「・・・私たちは折に触れ聖母の励ましを願って祈るのです。2020年12月、完」で結ばれている。
おおざっぱすぎて大司教さんに叱られそうだが、直接手にとって読むことをおすすめする。確かめてないが、大丈夫だと思うので東京大司教館のメールアドレスでお問い合わせを。diocese@tokyo.catholic.jp
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