謁見の間に行くまでにはいくつかの手続きがある。まず、点呼。何が基準になっているのか知る由もないが4番目に呼ばれた。この順序は大事らしく、通された部屋でも呼ばれた順に待たないといけない。
いろいろ説明を受け、一人づつ握手をして左に立ってのツーショットの写真撮影の順序も当然厳しく指示通りでないといけない。いよいよ謁見の間に通され、教皇を囲むように用意された半円形の椅子の配置。どこに座るかも勿論指示に従わないといけない。指定された場所は、何故か通訳を挟んだ左側の直近。少し、逆光だったが持参のiPadで横顔を数枚激写。もっとも、退出の時、「謁見中は撮影禁止なので全て消去のこと」との教育的指導。
ともあれ、「皆さんの心配なことなどなんでも聞かして下さい」で始まった謁見は、謁見というより懇談会。「それでは」というので、いろんな問題が出されたが、印象的だったのは日本語ミサ典礼書改訂版認定の件。
ブーイングというか苦情というか。「それはいけません。私からも話しておきましょう」など終始物分かりのいいオヤジさん。「私たちは信号待ち症候群にかかりやすいので気をつけないといけない。」彼独特のジョークも飛び出し、「何でも禁止」の傾向を戒めた。「いつまでも赤だったら先に行ってしまうでしょう。」だから、「ある程度できたら先に進めばいいのです」に、そうだ!と声を上げるところだった。一斉に拍手で答えたのはいうまでもない。
子供たちの小言にいちいち頷きながら「分かった分かった」と全てを受け止める頼もしいお父さん。やはり、みんなに一番近い方だった。アベマリアのお祈りを一緒に唱えて終わった。日本教会と社会の現実を忌憚なく分かち合えた実り多い謁見だった。
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