その前に少しおさらいが必要になった
日記を頼りに毎日のように書いているが、ふと「何日目になるんだろう」と思って原稿に目をやると、12月17日にバギオから山に入ってパリーナで一泊、バクンで一泊、そしてアンプソガンで一泊ということでまだ三日しかたっていない!
しかも、アンプソンガンの一日はまだ終わってないのだ。ということで19日の続き。
◇ ◇ ◇ ◇
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ピーター君の故郷カパンガン
就寝前にトイレに行こうとしてハタと困ってしまった。部屋中見回してもそれらしいのが見当たらないのだ。やっぱり外のアレしかないのか。さっきシスターは「バスルームはこちらです」と確かに言った。普通はシャワールームと言えばトイレが一緒。
しかし、あの“バスルーム”には確かにシャワーしかなかった。あの時は、フンフンと頷いたもののちゃんと確かめることまではしなかった。ま、とにかくバスルームに行ってみた。改めて質素すぎるサマに驚いた。
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カパンガンの民俗資料館
トタンで囲った入り口にカーテンがつるしてあって床は石ころを敷き詰めただけ。「これがシャワールーム?!ウソだろう!」子細を眺めて愕然とした。問題は明日の朝だ。とりあえず今日はしょうがない。こうして長い一日が終わった。
20日
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パリーナで登場したふんどし小父さん。Tシャツは着ていたが。
緊張しているせいか3時に目が覚めた。4時のバスにはまだ早いが問題山積だし起きることにした。みんなを気遣いながらそっと外に出た。月はこうこうと冴えわたり外気がほほに冷たい。
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今も残る吊り橋。36年前と同じ形。
案ずるよりも産むが易し。大きな洗面器が二個あることであっさり急場を凌ぐことが出来たからだ。詳しいことの次第は控えるが、とにかく気持ちよく身支度を調えることが出来たことは言うまでもない。
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パリーナの教会。奥が当時のもの。
シスターとレオ君やピオ君にありがとうのメッセージを残して教会を後にした。一度ッキリの出会い。そして見送りもなくひっそりと立ち去る。「ボクはやっぱり旅人なんだ。」そんな感傷に浸りながらバス停に向かう。なんて静かなんだろう。「さようならアンプソンガン!」
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ピーター君。キルキル山を指した自撮り。
多くの魅力的な現地学習プログラムの中から、迷うことなく「北ルソン山岳地方の教会訪問」を選んだのは、元々登山が好きだというだけの理由に過ぎなかった。「出会いの旅」と称して日本を出た趣旨とは全く無縁のものだった。
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山の人々は闘鶏が大好き
物見遊山から始まった北ルソン奥地への旅が、心をときめかし熱くする、大げさだが自分の人生を変えてしまうかもしれないほどの出会いの旅になるとは予想だにしないことだった。心の整理がつかないままこの数日のドラマチックな日々を思い巡らしながら暁の冷気に身をさらしてバスを待った。おしまい
*ご愛読の皆さんありがとう。*写真はすべてピーター君から。
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