毎日曜日ミサ3回に比べたら…
確かにそうだが、ちょっと特別なのだ。シスター6名+信者職員5名?そのほか信者でない職員6,7名?と小1から高校生までの50数名。多彩な顔ぶれの合同ミサ。「子どもたちはザワザワですのでお説教は短めにお願いします。」迎えたシスターの忠告の意味はすぐに推測できた。つまり、従来の神父さんたちは一生懸命「説教」をしたに違いない。で、「さあ、短くできるかな?」とだけ答えた。
子供たちが多いほど楽しい
さすがに小学生以上とあって、叫ぶような大声で歌う子はいない。聖歌になっている!時間前にお御堂に入って一緒に歌った。「上手上手!」と拍手したものだから子どもたちの目が輝いた。本番では一段と気合がはいった。福音朗読まで子どもたちのザワザワはない。初めて見る顔に興味があるからに違いないのだが。
福音は死の予告の直後、「誰が一番偉いか」と弟子たちが論じ合うところ。「一番偉いの誰ですか?」「神様!」男の子が声を上げた。さすが宗教教育が行き届いている。「ここでは?」「園長シスター!」「それでは質問を変えます。世界で一番難しい言葉は?」「日本語以外の言葉!」利発な子がいたものだ。「あ、そうだね。答えを半分だけ言います。それは日本語です。」「えーっ!?」一斉に声が上がった。
誘導尋問成功
「また質問を変えます。みんなが楽しい番組を見ている時、先生が『はいおしまい。勉強の時間です』と言ってテレビを切ったとしたら…」言い終わらないうちに「『もう少し!』といいます。」「そうですね。ではまた別の質問です。難しい日本語は?一番短い二文字です。」「感謝!」「あ、そうか、書くのが難しいのではなく言うのが難しい言葉です。」「ごめんなさい!」「ご・め・ん・な・さ・い。多すぎますね。」誰かが小さい声で「ㇵィ」付き添いの先生が耳打ちしたらしかったが、ともあれ誘導尋問成功!「そうです!」
ハイは一番美しい言葉
「でも、世界で一番美しい言葉もハイです。どうしてかというと、マリア様がいつも使っていた言葉だからです。実は、マリア様は一度も『いいえ』と言わなかった方なのです。」「えーっ!」子どもたちが一斉に声を上げた。「イエス様はどこで生まれましたか?」「馬小屋!」「そうです。でも、マリア様は『こんな汚い所イヤ!』とはおっしゃらなかった。どんな時でも『神様のお望みの通りにしてください』と言われました。だから、マリア様の好きな言葉は?」「ハイ!」またも成功!素直な子どもたち!
ハイは魔法の言葉
「マリア様が『ハイ!』と言われるたびに神様はニッコリなさったと思います。みんなも、お友達や先生、シスターに明るい声で『ハイ!』と言ったらみんながニッコリして平和が広がるでしょう。だから、『ハイ!』は世界で一番美しい魔法の言葉です。みんなが魔法使いになったら世界中が平和になります。」「えーっ!」「魔法使い」に反応した子供たちの顔は輝いていた。
「明日から『ハイ!』が飛び交うでしょう。」見送りのシスターも嬉しそうだったが、口にこそ出さなかったものの、「それだけ?」。Ubi missa Ibi mensa.(ミサのあるとこでは食事もある)神学校で覚えたラテン語の言葉を久しぶりに思い出したというのに。シュン!ともあれ、楽しい出張ミサではあった。
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